沖縄・国際通りの三越跡ついに再開発へ、第一交通Gが取得

 第一交通産業(福証)とグループ会社で不動産再生などを手がけるエフ・アール・イー(福岡市博多区)が、沖縄・国際通り沿いの旧沖縄三越ビルなどを取得した。

 取得したのは、2014年に閉館した旧沖縄三越ビル。隣地の賃貸マンションなども合わせて取得しており、那覇市最大の繁華街・国際通りに面した立地ながら敷地面積は合計1,000坪超に上る。第一交通産業らは3月に取得しており、今後はホテル開発などを検討していくという。

旧沖縄三越ビル(那覇市牧志2丁目)
旧沖縄三越ビル(那覇市牧志2丁目)

    国際通り沿いという立地の希少性から、これまでも再開発に向けた動きはあったものの、地権者らとの合意形成が難航し、頓挫してきた経緯がある。

 今回、第一交通産業らが交渉にあたった地権者数は31、そのうち旧沖縄三越ビルの前オーナー・リウボウ商事(那覇市)との売買契約は22年6月には済ませていた。しかし、一部地権者に数次相続が発生していたことなどもあり、すべての地権者と合意し、売買決済が完了したのは今年3月で、それまで3年近くもかかったことになる。

 第一交通産業とエフ・アール・イーが再開発を大きく前進させられたのは、エフ・アール・イーの不動産再生ノウハウに加え、既知の地元企業らとチームを組めたことなどが要因として挙げられる。また、第一交通産業は20年以上前から沖縄県内でバス・タクシー事業および分譲マンション開発などを行っており、地元での知名度が高いことも大きく影響しているだろう。

 エフ・アール・イーの吉田邦宏社長は、「旧沖縄三越ビルは国際通りの象徴ともいえる存在でした。沖縄の発展に寄与する開発、というのが我々に課された命題だと思っています。すばらしいホテルや商業施設の誘致、大手デベロッパーとの協業も含めて具体的な検討を進めているところです」と話す。

【永上隼人】

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