不憫でならない横綱・稀勢の里~引退のススメ
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九州場所2日目、正面の砂かぶりの席から稀勢の里の取り組みを見た。入場した時から体全体に張りがないことに気づく。肉付きが悪く「状態が万全ではないのでは?」という疑問がわく。ほかの力士たちと比較しても精彩を欠く雰囲気である。土俵下で待つ様子もどこか自信がなさそうで、横綱としての迫力が感じられない。
土俵に上がる。うしろ姿を眺めると下半身が細く、衰えが垣間見える。足の後部には、ブツブツのようなものがあり、一瞬「静脈瘤か」と思い、驚いた。こちらの勘違いだったようだが、体の変化をすべて病気と関連づけてみてしまう。仕切りの姿勢にも横綱がもつ独々の風格がなくオドオドしている。これでは相手を威圧することなど無理だ。
2日目の対戦相手は妙義龍である。妙義龍は小柄であたり負けさえしなければ、稀勢の里が勝つだろうと予想されていたが、現実は逆だった。妙義龍があたり勝ちして右を差す。稀勢の里は必死でこじ開けようとするが、左手を握られる。一瞬、妙義龍に両差しを許す。ここが辛抱のしどころだ。
稀勢の里が顔色を真っ赤にして上手を握ろうと躍起になる。しかし、妙義龍に下から攻められると稀勢の里の腰が棒立ちになる。土俵際まで追い詰められて、ついには土俵下に寄り倒されてしまう。初日は貴景勝にはたき込みで土俵下に叩きつけられる無様な負け。これでは誰が相手でも負けるだろう。潔い決断をする時期がきたのではないだろうか。関連記事
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