2024年04月19日( 金 )

人や車のスムーズな通行を実現する 信号機設置工事のリーディングカンパニー(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

九信電設(株)

時代とともに進化を続ける信号機

 街を歩いていたり、クルマで走っていたりする時、私たちが必ず見かける信号機。そんな道路交通の基盤をなす信号機が最近、変化しているのをお気づきであろうか。最も特徴的なのは、灯器のLED化。従来の電球に比べて寿命が長くなり、消費電力が抑えられるというメリットを生み出した。LEDの素子を工夫することで、逆光や薄暮の状況での視認性も高められる。また信号機の赤、黄、青のそれぞれの球は従来、直径30cmが標準仕様だったが、LEDでは直径25cmでも従来製品と変わらない効果を得られる。さらに筐体の素材も見直して軽量化が可能となり、結果的に信号機全体の軽量化、省コスト化につながる…というように毎日見慣れている信号機は、実は日々進化しているものなのだ。

 そんな信号機の設置工事の分野で福岡県内で業界トップクラスの実績を積み上げているのが九信電設(株)である。信号機の灯器はもちろん制御器の設置、およびコンクリート柱の建て込みなどの土木工事を含め信号機周辺の案件を主体に手がけている施工会社である。警察関係だけにとどまらず道路を管轄する国交省や自治体(県・市町村)、地域の開発を担うゼネコンなどと取引先は実に幅広い。もちろん自治体や警察などの案件は入札を通じて受注するわけだが、40年以上培った実績に対する信頼は各方面から厚い。最近では工事を外部発注する企業が増え、工事部門を自社で抱える企業が減っていることもあり、工事部を自社にもち、迅速で、きめ細やかなワンストップ対応が可能という点で取引先からの評価を高めている。

 さて、信号機はLED化されると寿命が伸びる反面、交換頻度が減るので、施工会社としての業績に影響するのでは?と疑問をもつ読者も多いかもしれない。しかし、実のところ、県内の警察署には信号機新設の申請書がまだまだ積み上げられていて、また各他官庁で道路改良などにともなう物件、事故や災害などで不測の事態などで必要不可欠な事業を展開している。

未経験から創業した黒木社長、今では業界を牽引するまでに成長

 現在、71歳の黒木社長が同社を設立したのが、1973年。大学の商学部卒業後、東京の一般企業に就職するが、あるきっかけでパークロック式のコインパーキングの仕事に出会う。そして一般企業を退社し個人企業として独立する。実は黒木氏は、福岡市内の有名ホテルや博多駅前のオフィスビルといったランドマークとなるようなビルに初めてパークロック式の駐車場システムを納入するなど、福岡を中心に九州地区における業界でも先駆け的な存在であったことはあまり知られていない。設置工事だけでなく保守業務も行い、業績も向上していたが、仕入れ先であるメーカーの代理店と相容れぬところがあり、メーカーの交通信号機事業部との担当者と出会い、まったくの未経験ながら駐車場システムから交通信号機の分野に移行し、法人化を目指した。この時、黒木氏31歳。ちなみに創業時、黒木氏自身は電気工事士の資格をもっていなかったため、有資格者を採用し、案件に対応したという。その後、黒木氏も電気工事士や電気工事施工管理技士といった資格を取得していった。

 当時は、夜中に呼び出しがあっても動けるように24時間対応にしていた。電球が1つでも切れれば、深夜でも電球を携えて現場へ駆けつけたことも。やがて、その丁寧できめ細やかな対応力で各地域の警察署からの評価を獲得。次第に入札指名の権利を得られるようになったという。その後、自治体や公共工事を手がけるゼネコンなど取引先が拡大していった。

 黒木社長は一方で、長年電気工事業界の理事長職を務め、交通信号機業界のまとめ役としても実力を発揮。2017年度まで、福岡県内同業27社の福岡県交通信号連絡協議会の会長を務めた。またライオンズクラブでは各地区委員長を始め、RCなども歴任し、業界のみならず地域発展にも寄与。その熱心な活動が評価され、08年秋、黄綬褒章を受章した。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:黒木 善弘
所在地:福岡市東区千早1-35-11
設 立:1980年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-671-5025
URL:http://www.kyushin.com

<プロフィール>
黒木 善弘(くろき・よしひろ)

 1980年7月、九信電設(株)を設立。信号機工事、街路灯工事を主体に業務を実施。福岡県知事表彰、黄綬褒章の受章など、公人・私人としても社会貢献に尽力している。

(後)

関連キーワード

関連記事