2024年04月25日( 木 )

実は福岡独自の風習!?正月の定番「三社参り」

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参拝客で賑わう宮地嶽神社(2018年1月1日)

 新年のスタートの恒例行事である「初詣」。福岡県民にとって初詣といえば、「三社参り」(三社詣)を連想する方も多いだろう。

 「三社参り」とは文字通り、正月の初詣として3つの神社をめぐってお参りすることを指すものだが、実はこれ、福岡県を中心とした九州地方・中国地方の一部で強く根付いた風習だとされている。つまり全国的には、それほどメジャーではない風習とのことだ。
 「いつから始まったのか」「どのような由来があるのか」については諸説があるようで、はっきりとしたことはわかっておらず、「どの神社を」「どういう順番で」といった“公式”のルールなども、どうやら定められていない模様。地域やご家庭によっては、「1日のうちに3つの神社を回らなければならない」とか「正月三が日のうちに回らなければならない」といった厳しい条件を課されるところもあるようだが、それも厳密には定められていないようだ。

 ちなみに、福岡でとくに定番とされているのが、「太宰府天満宮」(太宰府市)、「筥崎宮」(福岡市東区)、「宮地嶽神社」(福津市)の三社を回るコースだが、いずれも多数の初詣客が訪れる“超”が付くほどの人気スポットで混雑必至なうえ、距離的にも多少離れている。1日でこの三社を回るバスツアーなども企画されているようだが、個々人でこの三社を回ろうとするならば、相当な覚悟で挑まなければならないだろう。
 ほかに、「十日恵比須神社」(福岡市博多区)、「住吉神社」(福岡市博多区)、「愛宕神社」(福岡市西区)、「香椎宮」(福岡市東区)、「櫛田神社」(福岡市博多区)、「宗像大社」(宗像市)、「高良大社」(久留米市)などが初詣スポットとしての人気が高い神社だろう。また近年では、上記の定番スポットに加え、先祖代々もしくは現在住んでいる地域の氏神さまなどを加えた、個人・ご家庭ごとの三社にお参りするケースも増えているようだ。

 ちなみに筆者の三社参りの定番コースは、「宮地嶽神社」「筥崎宮」「宇美八幡宮」(宇美町)なのだが、その年によって「宇美八幡宮」が「宗像大社」や「香椎宮」に代わったりもする。“いい加減”というなかれ。それぞれが思い思いの三社をめぐって、新年への思いを祈念すればいいのだ。もちろん、時間の都合で3社を回るのが難しい方は、とくに正式にルールで定められているわけではないのだから、普通に一社だけに初詣をしても、何ら問題はないだろう。
 初詣に行ったからといって、必ずしもご利益が得られるかどうかはわからないが、そこは気のもちよう。2019年も良い年にしたいものである。

【坂田 憲治】

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