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2018年12月26日 14:22

中国経済新聞に学ぶ~日本コメ、中国での販路拡大

中国本土に日本コメ輸出量は年間わずか300トンだった

 気がつけば、日本のコメを何袋も抱えて帰国するのが、日本を訪れた中国人観光客の定番になっている。今やこのようなコメを抱えて帰国する訪日客の人数は以前ほど多くなく、わずかの間のこうした変化の背景にはさまざまな原因が考えられ、その1つとして日本のコメがますます中国市場に進出するようになったことが挙げられる。

 長年にわたり、中国の巨大なコメ消費市場が海外のサプライヤーたちの注目を集め、特に近い距離にある隣国・日本の期待が高い。日本最大のコメ卸売企業・株式会社神明はこのほど、泉膳(中国)投資有限公司と提携して、日本北部の富山県産コシヒカリを中国市場に持ち込んだ。展示会場に行くと、コシヒカリを使った牛丼の器がずらりと並び、おいしそうなにおいが漂っていた。

 神明中国法人代表を務める成都栄町食品有限公司の趙一鳴社長は、「現在、神明が中国に輸出する日本のコメは100t余りしかない。当社は中国市場を非常に重視しており、2020年にはコメの対中輸出量を現在の20倍に拡大して、2千トンに増やす計画だ。また25年の輸出量は現在の100倍に増えて、1万トンを目指す」と述べた。

 現在、神明のコシヒカリは主に日系スーパーとECプラットフォームで販売されており、ECサイトを見ると販売価格は2キログラム148元(約2,416円)だ。趙氏によれば、「この価格は日本の小売価格の2倍だが、中国市場で売られている日本からの輸入米の中では、最も安い小売価格だ」という。神明はコシヒカリだけでなく、今年9月には兵庫県産のコメも含めて25tを中国に輸出した。

日本国内需要は減っている

 ここ数年、日本のコメが日本でたびたび売れないという困った事態に直面している。特に高級ブランド米がそうだ。

 日本農業研究所の研究によると、日本では食品の種類がますます豊富になって多様化し、若い人の飲食習慣が変化していることから、米の消費量が減少を続けている。統計をみると、1961年は1人あたり年平均118キログラムを消費していたのが、17年は54.4キログラムと半減した。

 日本国内でのコメの消費量が減少したため、コメ農家の人数と収入も減少した。日本全体での人口減少も消費量減少に拍車をかけた。

 日本国内市場は縮小を続けているのに対して、日本のコメ生産量はどんどん増えている。日本の農林水産省のまとめたデータによると、17年の日本産コメの輸出量は約1万2千トンで、初めて1万トンの大台を突破した。そのため、業界のアナリストは、「このようなコメの販路拡大は、日本政府にとって、消費増税に匹敵する重要性をもつ」との見方を示す。

 ここ数年、日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本のコメの販路拡大という重大な役目を担っている。

 ジェトロ上海事務所の小栗道明所長は、「日本の農林水産業の一層の発展を促すべく、昨年の農林水産物の輸出額は8千億円に到達した。安倍政権の計画では、来年この数字は1兆円に達する見込みだ。これは現在は2020年の目標額で、安倍政権は前倒しで達成したいとしている」と述べた。

 具体的なコメおよびコメ加工品の輸出について、安倍政権の計画では、19年の輸出規模を600億円にするという。だが同省のデータをみると、16年のコメの輸出量は実際には9,986t、輸出額は27億円にとどまった。目標達成に向けて、安倍政権は日本国内の輸出業者59社と産地250カ所および生産者団体に対する一定の政策的支援を通じて、量の飛躍的増加を達成したいとしている。

中国市場で販路を模索

 コメの消費量、輸入量ともに世界一の中国だが、日本からのコメの輸入量には限界がある。中国税関がまとめたデータでは、17年の日本のコメ対外輸出量は1万1,800tだった。輸出先では、中国の香港地区が最多で4,128tに達し、次がシンガポールの2,861tで、中国大陸部はわずか300tだった。

 2011年3月に日本で東日本大地震と福島県の原子力発電所の放射能漏れ事故が発生すると、多くの国が福島県などからの食品・農産品に輸入禁止令を発動した。中国も福島や宮城県など10都県の食品を輸入禁止にしだ。

 18年5月、中国は日本のコメに対する輸入制限を緩和し、日本側は新たな輸出拠点を7カ所設け、精米加工工場もこれまでの1カ所から3カ所に増やした。神明の大阪にある加工工場は今年5月、中国の認可を受けた。

 趙氏は、「今年7月より、神明は毎月、水上輸送で標準コンテナ(TEU)1個分にあたる24tの自家精米のコメを中国に輸出している」と説明した。趙氏は中国大陸部市場の開拓にあたっての難問について、「それはやはり主に輸送過程の問題だ。中国政府が大陸部市場に輸出されるコメに対する要求が厳しいため、加工処理、船による中国への輸送、通関から消費者の手元に渡るまでに1カ月ほどかかり、鮮度保持の問題が出てくる。鮮度が下がれば、コメの食感や膨張率などに直接影響が出る」と述べた。

 趙氏はそれでもなお、日本のコメの大陸部市場開拓に楽観的な見通しで、「他のブランド米との競争を心配してはいない。来年は中国市場で日本のコメをますます多く見かけるようになってほしい」と期待を寄せる。

【文・曹華】


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