わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
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2019年01月11日 07:01

「和と愛」に基づく日本型の健康医療を創っていく 市町村と連帯しながらモデル施設を内外に展開(中)

 ―予防医療の主役は患者で、医療人はそのサポーターということですか。

 水上 本来、病気治療の主体は患者自身であり、予防や健康増進の主役も生活者自身なのです。ただ、病気の治療では、医師と患者の間には“情報の非対照性”が存在しますので、どうしても医師は上から目線で患者に指導するという傾向は否めません。これに対し、病気予防や健康づくりという点では両者は対等の関係にあります。

 この点を踏まえたうえで我々はあえて日本型健康医療を提唱しています。西洋医療は西洋人に合っていても、日本人に最適とは限りません。何か無理やり大きめの洋服を着せられた感じで着心地も良くない。日本人の体型には和服が似合うように、医療の和服とはどういうものなのか。これをかたちにすることが当財団の役割だと考えています。

 また、日本型健康医療を提唱する目的の1つに、「和と愛」に基づいたコミュニティづくりがあります。今までは医師主導型医療でしたが、十分な医療情報を共有するなかで、医師と患者が時間をかけて話し合い、患者本人の意見や気持ちを尊重しながら、本人にとって最適な「健康医療」をともに力を合わせて「創造」していくべきなのです。

 互いが「和と愛」の精神をもち続ければ、必ず最適の医療が構築できるはずです。そこには、欧米のような医師・患者間のトラブル、訴訟多発はあり得ません。欧米の医療が最高だという常識を超えて、日本が発明した数多くの新技術も含め、我々が「日本型健康医療」を世界に発信する時がついにやってきたのです。

 ちょっと大袈裟な言い方かもしれませんが、私たちは財団の活動を通して、日本そして世界の医療を根本から変えたいと考えているのです。東京を初め、全国に健康医療施設をつくり、地域の人たちをより健康にするお手伝いをしたい。世界中から健康を害した人々はもとより、健康になりたい人々を集め、日本だけでなく世界中に当財団の理念に基づいた医療施設を創っていきます。「和と愛」を根底に置いた「日本型健康医療」をともに創っていきたいと考えています。

 ―水上先生の専門はがん治療ですが、この分野においても「和と愛」の理念を基に、がん統合医療を実践されていかれるお考えですか。

 水上 がん統合医療こそ日本型医療が必要なのではないでしょうか。「がんの統合医療とは何か」ということを考えると、標準治療に先進医療、たとえばビタミンC点滴療法、樹状細胞ワクチン療法、そしてEU諸国で広がっているオゾン療法などを組み合わせて行う戦略的な治療法だといえます。それでは広義の先進医療とは何か。私なりの考えでは、1つには世界規模で臨床試験が行われていて、ある程度エビデンス(安全性・有効性)が確認されているもの。もう1つは、海外で保険適用になっている治療法。この2つが広義の先進医療だと考えています。

 統合医療とは、西洋医療、非西洋医療を問わず、1つの治療法に限定しないで、患者さんの価値観、人生観、死生観を尊重しながら、十分な話し合いのなかから、患者さんが納得し、選択できる全人的医療を提供すること。これが統合医療の基本理念だと考えています。その根底にはご指摘の通り「和と愛」の理念が欠かせません。今の西洋医療は肉体しか診ていませんし、患者の不安に寄り添う姿勢も感じられませんが、本当の全人的医療は、メンタル、スピリチャルを含めてすべてを診る姿勢が重要なのです。

 こうした点も1つの日本型医療のかたちといえるかもしれません。当財団では、治療法に関する最新情報を収集し、共有していく一方で、会員同士が症例をもち寄って本音で話し合える場をつくっていきたいと考えています。

(つづく)

【取材・文・構成:吉村 敏】

<プロフィール>
一般財団法人国際健康医療研究所
理事長 水上 治(みずかみ・おさむ) 氏

健康増進クリニック院長。1948年、北海道函館市生まれ。1973年、弘前大学医学部卒業。1973年、財団法人河野臨床医学研究所附属北品川総合病院内科勤務。1978年、東京衛生病院内科勤務。1985年、東京医科歯科大学で疫学専攻、医学博士。1990年、米国カリフォルニア州ロマリンダ大学公衆衛生大学院で健康のさまざまな分野におよぶ120単位を取得し卒業。米国公衆衛生学博士。東京衛生病院・健康増進部長を経て、2007年に東京都千代田区に健康増進クリニック開設。2011年7月、癌先進補完医療研究会を立ち上げ理事長に。医学生時代から、自己治癒力が疾病克服の鍵と考え、西洋医学を根本にしながら、エビデンスの高い、体に優しい治療法を臨床現場で施行し続けている。高濃度ビタミンC点滴療法を実施したパイオニアの1人。著書に『日本一わかりやすいがんの教科書』(PHP研究所)、『がん患者の「迷い」に専門医が本音で答える本』(草思社)などがある。

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