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2019年01月19日 07:05

対中強硬派のロバート・ライトハイザーUSTR代表の胸の内(前編)

NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年1月18日付の記事を紹介する。

 アメリカと中国の貿易摩擦は「新冷戦」とまで呼ばれるほど抜き差しならない泥沼に陥ってしまった。昨年末、トランプ大統領と習近平国家主席の間で「休戦協定」のために90日間の猶予期間を設けることが合意されたのだが、そのデッドラインである3月1日までに事態が打開される見通しは得られないままだ。

 万が一、交渉が決裂することになれば、世界第1位と第2位の経済大国が高い関税をかけ合うことになり、世界経済全体に悪影響が及ぶことは避けられない。トランプ大統領とすれば、対米貿易黒字を積み重ね、アメリカの知的財産権を侵害する中国への圧力を強化させることでアメリカの産業基盤を回復させることを意図しているのであろう。歴代の大統領ができなかった対中強硬策を成功させることで、「アメリカ・ファースト」の大統領として2020年の再選を目指す心づもりに違いない。

 実際の対中交渉の現場で指揮をするのはロバート・ライトハイザーUSTR代表である。ホワイトハウスのピーター・ナバロ大統領補佐官と共に「対中強硬派」の筆頭役を務め、トランプ大統領からの信頼も厚い。ライトハイザー氏といえば、かつての日米通商戦争の際にも、「対日強硬派」として日本政府を震え上がらせた強者(つわもの)交渉官である。果たして、日本を手玉に取ったように中国をも陥落させることができるのであろうか。

 ライトハイザー氏と共に仕事をした経験のある複数のアメリカ人から最新の情報を入手し、今後の米中関係の行方を占ってみた。まずは、同氏の基本的な発想について見てみたい。周囲が一致するのは、ライトハイザー氏の発想の根底には「アメリカの偉大な産業の復活=雇用のアメリカでの復活、それを可能にする製造基盤のアメリカ回帰」という考え方が根付いているようだ。

 そのため、あるべき「アメリカの復活」に対して阻害要因でしかない外国、特にかつての日本、そして今の中国による「不公正な貿易、通商慣行や背後の国家的関与を排除」することが絶対的に欠かせないとの強い信念がある。そのための最も効果的な手法は「圧力=関税交渉」というもの。

 ライトハイザー氏の口癖は「歴史から学べ」。過去の政権による対中融和政策の結果、アメリカは抜きがたい損失と国際競争力を失う事態に追い込まれた。今からでも間に合う。だから中国への対策を誤らないように、中国の隠された国家的意図を明らかにした上で、同盟国とも連携し、中国の台頭を抑止すべし。これが同氏の堅い決意というわけだ。その意味では、トランプ大統領とは「イデオロギー上の同志」と言っても過言ではないだろう。

 こうした発想が生まれた背景には、ライトハイザー氏の生い立ちが関係していると思われる。彼が生まれ育ったオハイオ州の五大湖に面するアシュタブーラはアメリカ鉄鋼や化学産業の中心地であった。しかし、中国のダンピングによって地元のアメリカ鉄鋼産業が衰退する現実を目の当たりにし、若くして失望と怒りを感じたという。

※続きは1月18日のメルマガ版「対中強硬派のロバート・ライトハイザーUSTR代表の胸の内(前編)」で。


著者:浜田和幸
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