• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年02月08日 15:32

ネパールの子どもたちに教育の光を(前) 時代を紡ぐ企業110社 

NPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会 理事長 篠隈 光彦 氏

ライオンズの力でネパールに学校を

 福岡博多東ライオンズクラブ(LC)が創立30周年記念事業として始めたネパールでの人道支援は、小学校建設を通して子どもたちに教育の機会を提供するとともに、経済的に自立するための地域振興策としてコーヒー豆栽培まで支援し、着実に成果を上げている。これまで、どのように地域に寄り添い続けてきたのか。実施機関であるNPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会と、振興会の理事長として事業に携わってきた篠隈光彦氏の活動からこれまでの歩みを振り返る。

開校式の様子

 1997年、クラブ会員・山崎広太郎氏(98年に福岡市長に就任)が、候補地の選定のためネパールを訪れたことが始まりだった。当時のネパール国民の識字率は40%程度と低く、村人たちも貧困から抜け出すためには、教育の充実が不可欠だと考えていた。子どものための学び舎をつくることは切実な願いだったのである。

 山崎氏から報告を受けた博多東LCは、ニルマルポカリ村に小学校を建設することを正式決定するとともに、福岡・ネパール児童教育振興会(以下ネパール振興会、2002年にNPO法人に組織変更)を発足させた。理事長には、篠隈興産(株)代表取締役・篠隈光彦氏が就任。篠隈氏は、博多東LCの第29代会長を務めており、30周年記念事業として海外での支援活動を発案した人物でもある。

ネパール名誉領事任命状伝達式。写真中央が篠隈氏

 1999年1月に校舎が完成。村に贈呈された学校の校名は「福岡ニルマルポカリ小学校」。同時に、現地での学校運営の主体となる学校運営委員会(SMC)を立ち上げた。開校はネパールの新年度が始まる7月。計117名の生徒を受け入れ、職員は校長ほか6名の体制で臨んだ。

 しかし、1年後には開校時117名の生徒のうち47名が留年するという問題に直面した。自給自足の暮らしを続ける村では、子どもであっても重要な労働力とみなされる。農繁期など忙しい時期になると、家の仕事や家事を手伝うことを優先し、生徒ばかりか教師も学校を休むというのが村の現実であった。そこで次年度から「学校に行こう」をスローガンに掲げ、SMCが主体となって家庭訪問を重ねながら、親や子どもの意識を変えようと働きかけた。先生や子どもたちの努力の甲斐もあって、翌年には出勤率、出席率ともにネパール水準をはるかに越えるまでに改善した。成績も上がり、留年生の問題も解消されていった。

 生徒たちの成長につれ、ネパール側の要望に応えて教室の増築も行われる。それには福岡の核ライオンズクラブからの手厚い支援もあった。
 2001年3月には、福岡にネパール名誉領事館が開設され、篠隈光彦ネパール振興会理事長は初代名誉領事に任命された。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
理事長:篠隈 光彦
所在地:福岡市中央区赤坂1-12-6
設 立:2002年2月
TEL:092-712-4351

<プロフィール>
篠隈 光彦(しのくま・みつひこ)

1941年11月生まれ。不動産賃貸の篠隈興産(株)の代表取締役を務める。本業以外には、博多東ライオンズクラブの第29代会長を務めた。現在はNPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会の理事長を務めるなど、精力的に活動している。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年02月15日 16:00

【特別レポート】九電工関係者による傷害致死事件の真相を探る(4/完結編)~開成→東大卒弁護士による不自然な勾留理由開示請求

  昨年9月、長崎県五島列島の北端に浮かぶ小さな島で起きた傷害致死事件。加害者とされる男性が自首したにもかかわらずなぜかすぐに釈放され、いくつも不明な点が残され...

2019年02月16日 07:05

芝浦グループ多角化戦略のいま 繁栄の鍵は「人財」発掘にあり(後)

  芝浦グループホールディングス(株) 代表取締役社長 新地 洋和 氏 各事業の取り組み  ―19年の事業展望について。アグリ事業では多数雇用...

2019年02月16日 07:02

【日韓ビジネスコンサルタントの視点】米中貿易戦争長期化への懸念~戦々恐々の韓国経済(3)

  中国が取り得る3つの戦略  それでは、今回の米中貿易戦争の真の狙いはどこにあるだろうか。中国はこのペースで行くと、2020年の中盤ごろアメリカを抜いて...

2019年02月15日 18:11

元オネエ系タレントの振付師K・Bの弟も~中洲のクラブ経営者、脱税容疑で逮捕

   福岡地検特別刑事部は2月14日、所得税法違反(脱税)の疑いで、飲食店経営者椛島(かばしま)譲治(48)、竹田一郎(48)、井上貴博(41)、植村勲(39)、中...

2019年02月15日 17:56

わらび座「北前ザンブリコ」みどころ(1)

  ■劇団わらび座ミュージカル「北前ザンブリコ」 <開催日時> 2019年3月5日(火) 18:30~(開場18:00) &...

2019年02月15日 17:51

シノケン18年12月期は増収減益 市況悪化で今期は抑制予想

   15日、シノケングループが2018年12月期(連結)の決算発表を行った。同期の売上高は1,113億円(前期比5.1%増)、営業利益は118億円(8.3%減)、経...

2019年02月15日 16:06

石油から水へ:新たな富を生む『水力(ウォーター・パワー)』(前編)

   NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャ...

2019年02月15日 15:43

「はかた一番どり」のあらい、古賀市ふるさと返礼品で賞味期限切れ品を誤発送~昨年11月には宗像市の返礼品でも誤発送

   古賀市役所は14日、同市のふるさと納税返礼品を取り扱う株式会社あらいが、賞味期限切れの鶏がらスープを含む返礼品「水炊きセット和(なごみ)」5セットを発送してい...

2019年02月15日 15:25

芝浦グループ多角化戦略のいま 繁栄の鍵は「人財」発掘にあり(前)

  芝浦グループホールディングス(株) 代表取締役社長 新地 洋和 氏  北九州市の小さな電気店「シンチデンキ」からスタートし、太陽光発電マンションか...

2019年02月15日 15:09

越後薬草の塚田久志社長が死去

   越後薬草(株)(本社:新潟県上越市)代表取締役社長・塚田久志氏が2月13日に死去した。65歳だった。  同氏は1976年に新潟県糸魚川市筒石で同社を...

pagetop