2024年04月29日( 月 )

「銭ゲバ」カルロス・ゴーンと徳を積む稲盛和夫

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 カルロス・ゴーン氏が保釈された。10億円の保釈金を積んでの結果である。長期にわたる拘置所での拘束(100日間を超える)には異議を唱えたい。カルロス・ゴーン氏関連の記事では「銭ゲバで何が悪い!!」と首尾一貫して訴えなかったことが逮捕へつながった(シリーズ・地球は何処に向かう、日本人はどうなる(8)~日本式経営の復権、カルロス・ゴーン流経営の破綻からの教訓)と解説した。

我が立身出世のためのニッサン再建、社会のための日航救済

 ここでカルロス・ゴーン氏と稲盛和夫の両氏を比較すると、盛和塾で学んできた経営者たちから糾弾されるだろう。「データ・マックスさん!とぼけるな。2人の間には埋めることができないほどの品格の差があるではないか!」。この指摘にまったく異存はない。

 カルロス・ゴーン氏にニッサン再建の命が下った時、本人は何を思ったか?一言、「俺に最高の運が転がってきた。世界に己の名経営者としての名前を轟かせてみせる」という我欲の塊になっていたのである。マスコミも悪い。「再生の神様」と持ち上げた。いつも喝破する「オーナーでない者が長期にわたってオーナー然とポストに執着すると己を亡ぼす」という定理通りの結末を迎えた。ゴーン氏の頭には「カネカネ」という言葉しか飛び回っていないようである。

毎年200億円社会投資する稲盛さん

 稲盛和夫氏はゴーン氏とは別次元の高邁な動機で日航の再建役を引き受けた。「日本航空が倒産したら大事になる。空の移動がストップすれば日本の経済は混乱する。日航の社員たちは優秀だから、しっかりと水先案内をすれば短期間で黒字になる。最長2年間で再建させるぞ!!そこで役職から身を退く」と覚悟を決めた。そして計画通りに再生させて、常勤会長ポストから外れた。鮮やかな再生の手際であり、清々しい品格溢れる生き様である。

 稲盛氏は公益財団法人稲盛財団を運営しており、毎年200億円、社会投資している。寄贈先は教育関連が主体になる。自分の出身校・鹿児島大学だけでなく、九州大学にも寄贈していて、最近ではアメリカの大学からの依頼も頻繁にあるそうだ。ワンプロジェクト40億~50億円が標準仕様だと言われている。

 資金額は600億円。「200億円、毎年寄贈すれば3年で消滅するな」と庶民の我々としては心配になるが、懸念する必要はない。3月末に寄贈を実行すると残高は400億円になる。ところが6月から7月の始めにキョーセラ、KDDIなどから配当が振り込まれてくる。そうするとまたまた残高は600億円に戻るとか。

 この事実だけでもゴーン・稲盛両氏を比較すること事態がナンセンスであるとわかる。ゴーンさん!!「世間に迷惑をかけた。申し訳ない。100億円社会にカンパをするから勘弁願いたい」という潔さをみせたらいかがかな!!無理だと思うが・・・。

【青木】

 

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