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2019年03月09日 07:03

人々を幸福にするプラットフォームへ 次世代のための新事業「Pando」(2)

(株)クインテット 代表取締役 松下 耕三 氏

新事業「Pando」

新事業としてスタートした「Pando」

 ―その二本柱を土台として新たに「Pando」(パンドゥ)を立ち上げられました。この新システムについて教えてください。
 松下 「Pando」の構想段階での呼び名は「ビジネス・プラットフォーム」でした。SNS的な要素もありますが、ホームページの代わりにもなります。開発中ですが、今後、EC(Eコマース)機能も付けていきますし、クラウドファンディングや、購読料を取ることもできたりするようにしていきます。また、組織内のコミュニケーションツールとしても活用することができ、いろいろなノウハウの蓄積が可能になります。イメージしているのは、PR活動、採用、情報共有、人材育成などを一本化できるプラットフォームです。スマートフォンのアプリも生成できるようになる予定ですが、それらをリーズナブルに提供したいと考えています。

 ―いつから開発を始めたのですか。
 松下 開発自体は2017年の年末からになりますが、「Pando」の構想自体は、10年近く前からありました。ただし、既存のクライアントにご迷惑をかけることがあってはいけませんので、まずはしっかり足場を固めるということに専念してきました。私のなかで遅くても40歳には始めないといけないという考えがあり、昨年2月に41歳を迎える前にスタートしました。

 ―FacebookやTwitterといった従来のSNSとの違いは?
 松下 名前の由来は、アメリカのユタ州に存在し、根の部分でつながっている巨大なポプラの森で、1つのコンセプトとして、将来的には、後世に残すべき人類の叡智、重要な知識やノウハウが集まった場所にしていきたいなと考えています。従来のSNSは、次々に情報が流れていくようになっており、人にとって大切な情報が残らず、本当の意味での発展にはつながらないのではないかと思っています。

 この事業(Pando)で収益を上げようという観点はさほどありません。ただ、続けていくためにはビジネス的に成立しなければならないというだけです。もともと私が山で育ち、物理とか世の中の法則、性質というものに関心があったこともあるのでしょうが、20代の前半に、平和で安全が保証されていて、便利で豊かな時代なのに、なぜ、ハッピーではないように見える人たちが多いのだろうかと疑問をもつようになりました。

 23歳ぐらいのときに少し目覚めたのですが、人間の生物的な性質として幸福をどう感じるかは決まっており、これが幸せな生き方だという見方をしているから、そう見えるのではないかと気づきました。そして、私も子どもをもち、その子がハッピーに生きられる環境を用意していかなければならないと思うようになったんです。

 ―「Pando」は次世代のための事業ということですね。
 松下 そうですね。たとえば、動物園にいる動物は、時間になったらエサも与えられて、生きていくのに困らないわけですが、野生の動物のほうが、食べるものがなくて死にかけることもあるでしょうけど、何かイキイキしていますよね。それはやはり、生物としての性質の1つであろうと思っています。人間も、仕事をしなくても生きていけるのは、その時だけ考えると楽そうに思えますが、それで本当に満足できるかというと、達成感もなく、充足感も得られない。やはり何か一生懸命できるものに向かって取り組むことが大きいのですね。

 しかし、現代は、便利になりすぎ、情報があふれている分、人間としてどう生きて行けばいいのかとか、どういう考え方が大事であるのかとか、先人たちがいろいろな戦いや人生のなかで見出してきた人間の智恵とか、あまり継承されない方向にいっているように感じます。

 ―ネットの検索によって知識だけが手元に来る。
 松下 表面的な知識ばかりで、本当に大事なことが継承されてない部分は結構あるのではないかと思います。それで、一生懸命に取り組めるものなどを本当にもつことができていない人が増えているのではないでしょうか。そういうものを見出せる環境を残していかなければなりません。

 ―今の子どもたちにとってはスマホがあって当たり前ですからね。
 松下 コミュニケーションも希薄化していると思います。LINEなどで昔以上にやり取りはしているかもしれませんが、顔の見えないコミュニケーションで、その人がどういう気分になっているのかを感じることがありません。あまり人の価値観とか、人間の生き方とか、思想のようなものに踏み込んだら良くないというような風潮もあって、そういうことを語り合う人の付き合いのようなことが、どんどんなくなっています。やはり人と人が本気で向き合ってこそ、相手のこと、人のことがより理解できたりするものだと思います。だから、これから「Pando」が、これまでのSNSの薄いつながりとは違った、相互理解を深められる場所として存在していく意義があるのではないかと思っています。

(つづく)
【聞き手・構成:山下 康太】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:松下 耕三
所在地:東京都新宿区市谷本村町2-10
設 立:2003年12月
資本金:1,620万円
URL: http://pando.life/qwintet

<プロフィール>
松下 耕三(まつした・こうぞう)

1977年、福岡県生まれ。東京大学理科二類(農学部)に進学、大学卒業後の2003年、(有)TRCを設立。05年(株)クインテット設立し、代表取締役となる。18年からは新たなビジネスプラットフォーム事業を推進する。

 

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