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2019年03月18日 08:37

【レオパレス21の施工不備問題】職人座談会 職人が語る現場の事情~問題の裏側に潜むものとは――(1)

次から次へと新たな問題や事実が明るみになる(株)レオパレス21の物件の施工不備問題だが、そもそも、なぜこのような問題が発生するに至ったのか――。現場の第一線で活躍している3人の職人の方々に、今回の問題だけでなく、業界や現場が抱えているものについて、赤裸々に語っていただいた。


安い工事費のしわ寄せ、責任の所在はいずこに

 ――まず、今回の(株)レオパレス21の問題がニュースなどで取り沙汰されたときに、皆さまは率直にどのように思われましたか。

 A 今回のことに関しては、お客さんを始め、設計事務所やゼネコン、そして工務店まで、「全部がグルだな」というのが率直な感想ですね。グルというか、設計がいて、そして必ず検査も行われるはずですから、全部わかりきったうえでないと、絶対にこういう杜撰な工事は起こり得ません。これだけの大掛かりなものですから、おそらく“上の連中”も理解したうえでやっているとしか思えません。レオパレス21の物件については「工事が安い」ということをよく聞くので、金額の帳尻を合わせるために、いろいろなことをやっていたのではないでしょうか。そして今回も、最終的には施工店に全部責任を押し付けるのかな、という気はしますね。

 B “現場の責任を誰がとるのか”ということが、一番の問題ですよね。設計監理と付いているけれども、それで設計事務所が責任をとるのか、それとも次に受けたゼネコンが責任をとるのか――。本来は、上が責任をとっていかないといけないのでしょうが、それがすべて現場では、施工者責任にされてしまいます。

 A そこを掘り下げていくと今度は、予算の関係上などで「本来ならこうしなきゃいけないけれど、ここまででいい」と言っておきながら、問題が起こったときには、「お前のところがこうしているからだろうが!」と平気で言ってくるゼネコンの人間もいます。こちらが「言われた通りにしただけです」と訴えても、「いやいや、こうしなきゃならんだろうが!」「下請が全部悪い」など、そういうことはよく言われますよね。

 B 複雑といえば複雑、単純といえば単純な問題ですよね。たとえば元請が安くしようとして、“項目落とし”というものを行うことがよくあります。これは、明細のなかの項目を完全に消してしまい、施工費を安く抑えたように見せるのですが、結局のところ現場では、その落としたはずの項目もしないといけない。我々は当然ながら、「項目に入っていないから、追加費用をもらえないとできませんよ」と言いますが、「いや、もうこれで契約しているから、やってもらわないと困る」――といわれるようなケースも多いです。

 C その逆のパターンもありますね。要は、契約した金額より安く抑えたいので、「これを外そう」「これも外そう」・・・と。そこで一番問題になってくるのが、通常はしなければならないシーリングなどでも、表から見えない、隠蔽されてしまう部分については、意図的に削ってしまうような、たとえばボードを2枚貼らないといけないところも、「1枚貼りにしよう」というようなことです。そういったように、「追加工事代金を払ってもらえない分、ここで減額したので」などという、現場サイドで予算の帳尻を合わせるようなケースもあります。

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 ――発注者側からすると安いに越したことはないですが、受ける側としては、多重構造になっているそれぞれの階層で、自分のところの利益は確保しなければなりません。そうした予算上の厳しさから、材料を間引きしたり、少なくしたり・・・といったことが出てくるのでしょうか。

 B といいますか、どこかからか、安く受ける業者が出てくるじゃないですか。そうすると、何に対しても、全部「これはこの金額」というのをゼネコンが当て込んでいってしまいます。たとえば、「ここは小部屋で手間がかかるため、1日じゃ作業が終わらないから日当が倍くらいになっているんですよ」というのと、「大部屋で今ある材料をどんどんビスで留めていくだけだから1日で終わります」というものを、全部同じ単価でさせようとするのです。「この金額で」となったら、大きい内装でも小さい内装でも、すべて同じ価格でさせようとすることにも問題があるのではないでしょうか。

 A マスコミや経済誌などで「すごく利益を出している」として評価されているゼネコンも、我々からすると「おそらく追加工事代金を払ってくれないんだろうな」と思ってしまいます。逆に、売上はそこそこだけれど、利益をほとんど上げていないところに対しては、「ちゃんと追加をくれるのかな?」と思ったりもしますね(笑)。

(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】

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