2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

【スクープ】佐世保市が九電工らに個人情報を漏洩か

 長崎県佐世保市宇久島で計画されている日本最大規模のメガソーラー事業に関する公文書を佐世保市に情報公開請求した個人の情報が、事業関係者に漏洩した疑いが浮上している。市に請求を行ったA氏のもとを、事業関係者である九電工社員らが訪問したことで発覚した。A氏は直接、九電工に説明を求めたことはなく、佐世保市から情報が流れたとしか説明がつかない事態となっている。

 宇久島島民のA氏は、メガソーラー事業が自身の所有する田畑に影響をおよぼさないかを確認するため、佐世保市農業畜産課に同事業に関する公文書の開示を求めた。しかし、佐世保市は「開示することでほかの事業者に影響が出る」という理由で「不開示」を決定。3月初め、どうしても納得がいかなかったA氏が、この決定に異議を申し立てたところ、突然九電工の社員らがA氏を訪ねてきたという。九電工社員らは田畑の現状を視察して帰ったというが、A氏は「誰も開示請求については知らないはずで、どこで情報が漏れたのか」と不審に思うほかなかった。

 情報管理について、福岡県内の自治体に尋ねたところ、「請求された公文書の関与企業に対し、情報提供してもよいかと確認を取ることはあるが、請求人が誰であるか明かさないのが情報公開制度の大前提」としている。

 A氏は事業関係者に説明を求めたことはなく、開示請求についても知らせたことはなかった。考えられるのは、請求先である同市農業畜産課から事業関係者に情報が流れた可能性だ。同市以外に、A氏の開示請求を把握している者はおらず、同市から事業者に情報が漏れた可能性が高い。情報漏洩の可能性について、同市農業畜産課は「事情を把握していないが、情報漏えいはありえない」と強く否定している。

 昨年、金融庁が野田総務相に請求のあった報道機関名を明かしていたことが問題となっていたのは記憶に新しいが、情報漏洩は開示請求に対する萎縮効果や制度の信頼低下につながる恐れがあり、あってはならない事態だ。

 そもそも佐世保市と九電工の強いつながりを示唆する島民が複数いるのは事実。同事業に関し、島民が市に訴えた苦情や要望などを九電工社員が把握していることが多く、「筒抜け」と表現する島民もいるほど。

 異議を申し立てたA氏に対し、佐世保市は請求内容の補正を求める文書とともに、「開示請求の取下書」も同封して送付。これを受け取ったA氏は「暗に請求を取り下げろという意味か」と憤りを隠せない。A氏は発電事業者に自身らの素性が知られて個人を特定されることに恐怖心を抱き、取り下げを検討しているという。

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【東城 洋平】

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