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2019年05月08日 09:11

アジアはカジノ産業の成長センター(後)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 韓国にカジノが最初にできたのは1967年のオリンポスホテルに開業したカジノである。その後、2000年に炭鉱の廃鉱で廃れつつある地域経済を活性化させるために開業した江原ランドが開業した。また、2006年に韓国観光公社がソウルと釜山に新しいカジノを開業し、現在は外国人専用のカジノが16カ所、韓国人も利用可能なカジノが1カ所、合計17カ所のカジノが韓国にはある。しかし、韓国のカジノ産業はアジアのほかの国の政策とは裏腹に、韓国政府が規制を強化したことで、苦戦を強いられている。代表的な規制は内国人のカジノ利用禁止である。

 内国人がカジノを利用できなくなると、どうしてもカジノ産業は国際競争に晒されることになる。顧客の半分以上が中国人、日本人である現在の状況下では、中国政府の政策変更などの影響を韓国のカジノ産業はもろに受ける状況である。一方、アジアでカジノ産業の育成に一番力を入れているのはフィリピンである。フィリピンでは2011年にResorts World Manilaが最初に開業した。その後、マニラ湾カジノリゾート・プロジェクトが進められ、約85haの埋め立て地に、合計5,000億円が投資され、統合リゾートが開発された。その結果、2013年3月にSolaire Resort & Casinoが、2014年にはCity of Dreams が、2016年にはOkada Manila Resort & Casinoが開業された。

 一方、日本もカジノ産業の解禁に乗り出している。日本は昨年7月に内国人の利用を可能にした統合型リゾート実施法案を成立させた。日本はパチンコという娯楽産業がすでに発達していて、下地ができているし、所得水準も高い国なので、カジノ産業の成長が有望視されている。世界的なカジノ事業会社であるMGMグループ、ウィングループなどは東京現地にタスクフォースチームをつくり、日本進出を準備しているようだ。マカオの事業会社も例外ではない。日本にカジノができると、一番打撃を受けるのは、韓国とマカオになるだろうと専門家はいう。

 カジノゲームは室内で行われるだけに、時間または天気の影響を受けず、24時間営業できるため、夜間産業としても注目が集まっている。また、カジノ産業は付加価値が高く、雇用創出効果も高いとされている。カジノゲームを楽しむために宿泊を延長したり、またレストランを利用したりすると、カジノだけでなく、ホテルもレストランも収益が増えることになる。シンガポールはカジノを開業してから、観光客数も、売上高も大きく伸ばしている。

 カジノの雇用乗数は0.017で、半導体の0.009、自動車の0.014に比較しても、こちらが高いという。しかし、カジノゲームには副作用があるのもたしかだ。ギャンブル中毒に陥り、人生をダメにしてしまうケースもあるからだ。このような副作用を抑えながら、経済発展と雇用創出にカジノ産業を利用しようとする動きがアジアを中心に活発化している。

(了)

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