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2019年05月13日 11:32

横田基地・米国大使館前で対米自立デモ、「日米合同委員会の解体を」

 日本の真の独立を目指す市民約30人が12日、東京都内の在日米軍横田基地前と在日米国大使館前で集会を開き、天木直人・元駐レバノン大使や小林興起・元副財相らが日米安保条約や日米地位協定の改定などを提言。日米合同委員会に象徴される両国のいびつな関係の解消を求め、気勢を上げた。

 集会は3月24日にパソナ前で反竹中デモを主催した『ピープルパワーテレビ』が開いた。反グローバル化の観点から左右を超えた連帯を呼び掛け、天木・小林の両氏のほか、愛国団体一水会の木村三浩代表や『月刊日本』の坪内隆彦編集長、全日本憂国者連合会議議長の山口祐二郎・憂国我道会会長らが演説した。

 午前10時半、横田基地第2ゲート前には制服姿の警察官だけでも20人が待ち構えていた。交番脇に設営した機材から流れるリズムに合わせ、ミュージシャンNao Lionさんがこの日のために自作した曲を歌う。

 「なけなしの金を 食いつぶす 米国 軍産複合体 ポンコツいらね〜ぞ オスプレイ 愛国 守るぞ 制空権」

米国を牛耳る金融勢力を糾弾する黒川氏
(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)
待ち構える警官。道路の向こう側にも
(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)

 

 主催者を代表して黒川敦彦氏が「米国は軍事費に毎年65兆円も使い、これが双子の赤字の原因になっている。そのお金を世界の破壊に使うのではなく、地球を直す方に使ったらどうか。親愛なる隣人である米国の皆さま、俺らも頑張りますから、世界中を平和にして豊かに暮らせる世界をともにつくりましょう」とあいさつした。

 2003年にイラク戦争に反対して事実上の解雇処分を受けた天木氏は、米国に留学・勤務して多くの友人がいることを挙げたうえで、「我々は仲良く共存を望むが、今の日米関係ではそれができない」と口火を切った。日米安保条約と日米地位協定の不平等性が原因であることを指摘し、「令和時代にこれらの不当な関係をなくしましょう」と改定交渉の開始を主張した。

 山口氏は「東京大空襲と広島・長崎への原爆投下を受け、日本は本当に米国に骨抜きにされた。日本の空も横田ラプコン(進入管制区・空域)として、米軍の管理下に置かれている」と嘆くとともに、オスプレイの危険性を指弾。そのうえで、(1)横田空域の返還(2)日米地位協定の改定を受け入れる(3)イラク・シリア侵略とベネズエラでの横暴をやめる、の3点を米軍側に求めた。

天木氏(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)
山口氏(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)

 

 木村氏は03年のイラク侵略に触れ、「国連決議も経ないまま、米国の侵略をいち早く支持したのが日本の小泉政権だった。イラク戦争に大義はあったか。10万人以上のイラク人が死傷し、500〜600万人が住む場所を奪われた。米国のいうことに何でもこびへつらい、今の日本はめかけのようにみっともない」と突き放すとともに、「ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドの3人は今こそ国際法廷で裁かれ、米国が反省しなければ、次に行けない」と糾弾した。

 小林氏は「戦争が終わって70年もたつのに、外国の軍隊が国内にいるのは異常」と切り出した。「占領している雰囲気が経済に確実に影響を与えている」と小泉内閣の進めた郵政民営化に言及。「今、郵貯は100兆円超の米国債を買っているだけ。米国と仲良くするのは結構だが、ごますってばかりいるからこんなことになる」と批判し、「1都8県が占領されている横田空域の問題をテレビも新聞も触れないし、政治家も怖くて発言しない。ここに米国大統領を迎えちゃ駄目」と、25日のトランプの入国方法をけん制した。

木村氏(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)
小林氏(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)

 

ルイス氏(2019.5.12横田基地前で筆者撮影)

 集会を見ていた米国の元海兵隊員も飛び入りでマイクを取った。ボナミゴ・ルイス氏(49)は日本に10年前から住み、日本人の妻と息子をもつ。「この基地になぜ、オスプレイがある。意味ない。戦争している所に運んで下ろすだけ。本当は韓国で文句いわれるから、日本にもってきた」と疑義を唱えた。さらに「沖縄でのレイプや殺人、日本人とのけんか、横須賀でもタクシー運転手を殺した。だから、『基地の人はおかしい』と思われる」と述べ、基地以外での乱暴狼藉を非難した。

 午後2時から予定した港区赤坂の大使館前は、過剰警備で集会を許されなかった。そればかりか、筆者が大使館の外観を撮影しようと通りの反対側の歩道からスマホを向けると、「撮影駄目」と、警察官が飛んできた。すぐに武装した数人に囲まれた。私は「禁止の根拠法は」と迫るが、どの警官も「禁止だから」の1点張り。法令知識に基づかずに職務を遂行している。

 15年ほど前は普通に撮れた。木村氏によれば、03年のイラク戦争のころから厳しくなり、外堀通りでの街宣を余儀なくしているとのこと。参加者はJT本社前で集会を開いた。周囲には武装警官のほか、背広にイヤホンをした屈強な男たちもずっと立っていた。

 保守言論誌『月刊日本』の坪内隆彦編集長は日米合同委員会に触れ、「日本国政府の上、憲法を超えた存在」と問題視。「横田・岩国の空域は正確には地位協定に取り決めはない。合同委員会での日米の秘密協定のなかにある。米軍人・軍属が公務外で犯罪を犯した場合も、協定は第一次裁判権を日本に認めている。しかし、合同委員会の密約で『著しく重大な事件でなければ、日本は裁判権を主張しない』と取り決めている」と解説。「同委員会の解体を、我々は主張していかなければ」と訴えた。

米国大使館(中央)。この距離が許される限界だった(2019.5.12筆者撮影)
坪内氏(2019.5.12米大使館前で筆者撮影)

 

 参加者たちは音楽に合わせ、「安倍のせいだ すべて安倍のせいだ 安倍晋三が国を売る おじいちゃんの代からCIA」と続く『安倍NOセイダー』を歌い、踊った。「おじいちゃんの代からCIA」の部分は、西城秀樹の『ヤングマン』に倣い、体で英字をつくる。

『安倍NOセイダー』を踊る参加者(2019.5.12米大使館前で筆者撮影)

 黒川氏は「官邸前で7週間歌い続けた曲で、機動隊の方々も知っている。今日はCIAの皆さまの前で踊れ、感慨深い」と語った。『秘密のファイル』榛名幹男(共同通信社)によれば、日本にCIAのキャリア要員(case officer)は1980年代初め時点で100人以上いて、表向きは同大使館の参事官などの肩書きで活動している。

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<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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