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2019年06月21日 12:05

大阪G20サミットを前に加熱する米中貿易戦争:日本は仲介役を果たせるのか(後編)

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年6月21日付の記事を紹介する。

 中国の挑戦は広範囲に及ぶ。例えば、特許申請の分野。技術革新の分野での特許申請と獲得の状況を見れば、トランプ政権が目の敵にする「メイド・イン・チャイナ2025(中国製造2025)」の基盤となる中国の特許獲得戦略が一目瞭然である。

 2008年の時点では、日本は23万2,000件の特許申請を記録。中国は19万5,000件であった。ところが、その後、中国の猛追が始まり、2014年には中国は遂に世界一となった。その数は80万1,000件を突破し、全世界の特許申請数のほぼ半分を占めるに至っている。同年、アメリカの申請数は28万5,000件に過ぎなかった。

 問題は、中国がこうした特許を実際に新製品の開発に応用していることである。具体例として、スーパーコンピュータの世界を見てみよう。2010年、中国のスパコン「天河1A」は世界最速の処理スピードを達成した。アメリカの国防総省の所有するスパコンを中国国防省のスパコンが凌駕したのである。2016年の段階で、スパコンの所有数でも中国は167台で世界一となり、第2位のアメリカの165台を追い抜いた。ちなみに日本は29台という現状に甘んじている。その後も中国のスパコン開発は進み、「神威太湖之光」が世界最速の記録を塗り替えた。

 アメリカの有力シンクタンク「ランド・コーポレーション」の最新研究『中国との戦争』によれば「2025年までに、中国はより多くの、より改良された長距離弾道ミサイルと巡航ミサイルを保持するようになる。防空システムも進歩し、最新の戦闘機や音の静かな潜水艦、センサーの向上、情報処理能力やサイバー攻撃の飛躍的進歩によってアメリカにとっては強敵と言わざるを得なくなる。万が一、米中全面戦争になった場合、アメリカ軍は初戦で甚大な損害を被るだろう。アメリカ軍は当然、反撃に出るが、勝利は保証されない。中国の強みはアメリカの弱みである。それはサイバー攻撃と宇宙からのレーザー照射に他ならない」。

 要は、もし米中が全面戦争に突入することになれば、「アメリカは中国に潰されかねない」という悪夢のような結論である。もちろん、ランドの狙いは「ゆえに、今こそ中国の脅威を取り除くべきだ。そのためにこそ、中国の経済的覇権主義を許してはならない」という危機感の喚起に力点が置かれている。

 2018年11月に3度目の来日を果たしたアメリカのペンス副大統領も、トランプ大統領の意向を代弁していた。「インド太平洋戦略」で安倍首相と意気投合を演出したペンス副大統領であるが、中国の進める「一帯一路」計画の向こうを張って、アメリカ主導のアジア太平洋地域向けの700億ドル(約8兆円)のインフラ整備基金の創設を事前のすり合わせをしないまま、突然提案したのである。しかも、新たな基金の原資はすべて日本に負担させようという魂胆だ。

※続きは6月21日のメルマガ版「大阪G20サミットを前に加熱する米中貿易戦争:日本は仲介役を果たせるのか(後編)」で。


著者:浜田和幸
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