2024年03月29日( 金 )

「熱血」採用は令和時代でも効果的!?~10代の若者が集まる建設会社

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 今年の「全国安全週間」は7月1日から7日まで。これに合わせ、建設業界では各地で安全大会が開催されている。

 6月某日、福岡市内の建設会社の安全大会に招待された。今回で3度目の参加になる。通常、建設会社が行う安全大会は、それほど楽しいものではないが、この会社の安全大会は本来の事故ゼロの目的以外に、社長や社員によるプレゼン、エンタメなどがあり、参加者を飽きさせないように工夫されている。今回は中でも会社の事業概要、方向性、そして何より会社経営で何を大事にしているのかがはっきり示された大会だった。

 同社の未来を担う若手職人が10名ほど登壇した。日に焼けた顔、お揃いの作業着姿からは、たくましさと凛々しさが漂っている。彼らの自己紹介を聞いて驚いた。2年目18歳、3年目19歳、3年目21歳…10代から建設の道に入り、なおかつ仕事を続けているのである。巷では「若者なんて集まらない」とあきらめ顔の経営者ばかりだ。そんな中、これだけ10代の若者を惹きつけ、なおかつ就業が継続しているのは昨今の業界では珍しい。

 改めて採用方法を聞くと、工業高校に「熱い熱い」手紙を書くそうだ。おそらく手書きだろう。「若い人材をぜひ当社に…」――進路担当者もその思いを受け止めるのだろう。それだけではない。同社は社員食堂を設け、社員の体調管理にも気を配っている。社内サークル活動も活発で、クルージング、ツーリング、魚釣り、山登りなど多数。「仕事も余暇も楽しめ!!!」――それが会社からのメッセージだ。高校OBからの評判が新卒者を呼び、若者が集ってくるのだろう。

 「結局、大事なのはヒト。投資は社員や会社に。自分に資産はほとんどない。それでいい」と断言する同社社長。

 来年の安全大会も楽しみだ。

【東城 洋平】

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