タクシー運転手への暴行加害者、「個人情報」と氏名明かさず
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個人情報保護にプライバシー権、コンプライアンスなど情報開示のハードルがどんどん上がっている昨今。
先日は福岡県内のタクシー運転手からこんな相談を受けた。相談者は今年2月、勤務中に泥酔した乗客の男性から暴行を受けたことがきっかけで入院した。補償を受けるため、加害者氏名や住所を知りたいが、暴行当時にお互いの情報を交換することを忘れており、今はっきりわかっているのは携帯電話の番号のみだという。
労基署に給与補償などを申請する際、加害者の氏名、住所などの記入欄があったが、加害者に尋ねるも教えてくれないという。事件当時は警察も駆けつけ双方に事情聴取しているが、運転手が警察に尋ねても、「個人情報」として、加害者の情報を明らかにしないというのだ。事件後、相談者は医療機関からの診断書を持って、警察に被害届を提出。現在も聴取を受けているという。
加害者は酔いが冷めた事件翌日ごろ、タクシー運転手に「誠意をもって対応する」という旨の謝罪の電話をしてきたというが、その後は弁護士が間に入ることに。(なお、運転手は後に暴行に起因する腰痛で入院していたが、加害者は一度も見舞いに来なかった。)
休業中の運転手は労基への申請に必要な情報が欲しいとして、加害者の弁護士に加害者の「氏名・住所」を尋ねるも、これもまた「個人情報」だとして、一切明かさないという。さらに弁護士介入後、一転して暴行を否定するかのような対応になり、今もトラブル解決には至っていない。事件当時の様子はドライブレコーダーに残されている。加害者の姿もはっきり映っているだけに、もどかしい状況が続く。
事件は目的地に着いて、料金を支払うときに起きた。降車したのは、福岡市西区野方。車中での会話から51歳という年齢はわかったという。
【東城 洋平】
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