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2019年07月16日 13:58

「日本経済の現状と今後について」ぐっちーさんが久留米で講演

 7月9日、国内外で企業を経営し、投資銀行家でもある「ぐっちーさん」こと山口正洋氏が、久留米市六ツ門町の総合文化施設「久留米シティプラザ」で講演を行った。筑後中小企業経営者協会が主催したもので、演題は「日本経済の現状と今後について」。

 まず、日本経済について、実質GDPを比較するとアメリカが民間投資によって高い成長を遂げているのに対し、日本は公共投資に巨額を投じていながらも、安倍政権による経済政策が謳い文句ほど効果を上げていないことを指摘。また、企業の経常収支は上がっているにもかかわらず、実質賃金は上がっていない。そのため、消費支出も2011年に起きた東日本大震災の頃を超えていないなど、日本経済の現状を統計データなども使いながら解説した。

 次に、行政が造った箱物に斬り込む。地方創生が叫ばれるなか、国からの予算を使って地方で行政主導の施設が建設されてきたが、その多くで損失を出しているという実態がある。そうした施設を山口氏は、「墓標」に例える。

 「公共施設に人が来ない。それを補おうと規模を拡大する。結局、施設は破綻し損失を埋めるためにまた税金が投入される」という現実を具体的な失敗事例を紹介しながら語り掛ける。ビジネスとして取り組むのであれば、まず需要予測が重要になるが、「需要がどれだけあるかよりも、補助金があるからつくるという発想だから建物をつくっても人が入らない。そもそも入る構造になっておらず、久留米シティプラザも同じ」と分析する。

 新幹線をはじめ交通網が発達すれば、地方に人が来るという発想をしがちだが、山口氏は逆だと断じる。新幹線が通り、東京が近くなった地方からは買い物客が東京に押し寄せる。優秀な学生も東京で学ぶようになる。そうして東京に人が集まり地方が衰退している現実があるという。

 一方、地方再生に携わる山口氏は、岩手県に日本初となるバレーボール専用体育館をつくり、3年先まで予約が入るなど大きな成功を収めている。カナダのナショナルチームが合宿に訪れたり、東京オリンピックに参加する6カ国から申込みがあるなど、海外からも高く評価されている。山口氏はバレーボール専用体育館の成功について、「どこにもないものを造ったから」と語り、サービスや小売、コンベンションで成功している福岡市の事例も挙げながら、「ミニ東京を目指すのではなく、そこにしかないもので勝負すべき」だと地方活性化の考え方を示した。

 山口氏によると今後の久留米には成長する材料があるという。「久留米には第二次産業がある。一時期、日本の第二次産業は海外に移り空洞化した。しかし、もう一度、日本の第二次産業が注目される。アメリカの会社が、日本の部品メーカーが日本でつくった物が欲しいという。故障などによるメンテナンス費を考えれば、多少高くでも壊れない物のほうが良いと考える。同じメーカーの品でも品質管理が優れた日本で製造された品が良いという。世界が豊かになったことで、品質の高さが競争力を発揮する時代」だと日本の第二次産業の今後に光を当てた。メイドインジャパンの一翼を担う久留米の地場産業に「今ならチャンスがある。海外に目を向けよう」とエールを送り、講演を締めくくった。

 山口氏は1960年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業後、丸紅に入社。モルガン・スタンレーなどを経て独立。アメリカの投資銀行員時代の2005年ごろ、証券化商品の破綻にともなう金融危機を予測して、危険性の高いこれらの商品の販売を中止したことにより、銀行を辞める。その予測は2008年9月のリーマン・ショックにつながり、山口氏はそれを予見した数少ない日本人エコノミストとして知られている。

 現在は、現役の投資銀行家として活躍する一方で、東日本大震災の被災地の岩手県紫波町では地方再生プロジェクトにも参画し、実務にも詳しい。ビジネスの傍らで「ぐっちーさん」のペンネームでブログ、有料メルマガなどを配信している。著書に『ニッポン経済世界最強論!』(東邦出版)、『日本経済ここだけの話』(朝日新聞出版)、『政府も日銀も知らない経済復活の条件』(朝日新聞出版、共著)、『日本を殺すのは、誰よ!』(東邦出版、共著)など多数。

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