永続できる体制を築き、さらなる地位向上を目指す(前)
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2019年07月22日 12:00

永続できる体制を築き、さらなる地位向上を目指す(前)

(一社)佐賀県産業資源循環協会
会長 篠原 隆博 氏
((株)篠原建設 取締役会長)

 事業活動において、必ず発生する産業廃棄物。その適正処理を担う佐賀県の業界団体が、(一社)佐賀県産業資源循環協会である。すでに“使い捨て”の時代は終わりを迎えており、現在ではあらゆる事業計画段階で、リサイクルの視点が必要不可欠となっている。一方で、自然災害が頻発するようになった近年、業界団体への期待は大きい。協会員150社を超える組織の代表を務める、篠原隆博会長に聞いた。

不法投棄の撤去作業を行う協会員

 ――長年、業界を見てこられて、産廃処分業の位置づけに変化はありますか。

 篠原 産廃処分業に関わって30年となりますが、さまざまな産業の底辺にあったといっても過言ではありません。今でこそ地位は向上してきましたが、他の業界に比べると、信用度はまだまだ低いです。

 それでも今のように認められてきたのは、産業廃棄物の種類、処理方法などさまざまな点で法改正がなされたためです。そのため、ほとんどの業者がルールを守るようになりました。義務を守るようになれば、権利も主張できるようになります。行政にも相談しやすくなったことで、協力体制も構築されてきました。今は不法投棄なんかしている業者はほんの一握りです。

 地域環境を変えていくのは業者1人ひとりの肩にかかっており、収集運搬、中間処理、最終処分と、産廃に関わるすべての事業者に責任があります。弊社も最終処分場の運営者として、地域の社会活動を継続的に支援していますし、仕事を続けていけるのは地域の方々の信用に基づくものだと考えています。

 昔は信用のない状況で、いろいろな話をしないといけませんでした。それが今では、対等な立場で対話ができることを考えれば、地位は間違いなく向上してきていると思います。しかし、ひとたび業者が住民を無視し、トラブルなどに発展すれば、それは30年前と同じです。ほんの一握りの事業者によって、業界が信用を落とすことになりかねません。

 ――産廃処理における国の方向性は、業界の意向に沿ったものでしょうか。

 篠原 産廃が発生しない資源循環型社会が理想とされるなか、大手メーカーを見ても、産廃を出さない「ゼロエミッション」を目指し、それを実現しつつあります。以前、「ホコリをリサイクルしてほしい」という冗談のような話も聞きました。それほどリサイクルが進んでいます。

 日本全体で産業廃棄物について考えをめぐらした場合、排出事業者の多くは大手企業です。経済産業省はどうも「大手を守ろう」という姿勢が見えますし、国土交通省も大手寄り。産廃処理業に最も関わりの深い環境省は、レジ袋の導入など消費者に最も身近な立場で地球環境に関する方向性を見出していただきたいと思います。

 農業分野には外国人技能実習生がたくさん従事するようになってきましたが、この業界にはまだまだ少ない。産業廃棄物処理業はサービス業で、さらに業界は、建築や造園、ビルメンテナンス、清掃などに広く関わっています。環境省には業界環境を整備して、人材獲得ができるような土壌をつくってほしいと思います。

 また環境省は、産業廃棄物の広域処理を推進しています。それでも産業廃棄物指導要綱では、県外物は受け入れを認めないという自治体が多いのが現状です。しかし、県境に産業廃棄物が存在する場合などは、隣の県から取りに行くほうが効率的な場合もあります。熊本地震の災害復旧では、佐賀から駆けつけた業者でも、高速交通網の発達により処理効率はほとんど変わりませんでした。緊急対応しないと行けない場合など、県単位で処理するのは非効率なことも出てきます。今後は、指導要綱の見直しも必要になってくると思います。

 当協会の働きかけにより、佐賀県では県外廃棄物受け入れに関する事前協議について、かつては1週間ほどかかっていましたが、今では即日、もしくは翌日に認められるようになりました。こういった請願は業界団体だからできることであり、当協会の役目でもあります。

(つづく)
【東城 洋平】

<INFORMATION>
(一社)佐賀県産業資源循環協会

所在地:佐賀市高木瀬西5-14-1
電 話:0952-37-7521
FAX:0952-37-7522
URL:http://www2.bunbun.ne.jp/~saga-sanpai/
1978年に「佐賀県産業廃棄物処理業協会」として発足。90年に「㈳佐賀県産業廃棄物協会」、2013年に「(一社)佐賀県産業廃棄物協会」に改組。17年に現商号に変更した。19年3月末時点で、協会員124社、賛助会員29社で構成される。

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