クラフトビール業界とのWin-Winを目指して~キリンTap Marché「クラフトビールガーデン」レポート


ビルとビルの間にある小さなスペースに、50人はいるだろうか――天神フリースペースには仕事帰りと見られる人々が知人とともにビール片手に談笑しており、沿道には入りきらない人々が列をつくっていた。
キリン九州が開催したTap Marchéの体験イベント「クラフトビールガーデン」、その初日となる26日夜のことだ。
Tap Marchéはキリンビールが提供するクラフトビールのサービングシステムで、17年に関東で試験運用を始め、翌18年から九州でも提供が始まった。年内で約500店に展開され、19年7月現在は1,000店超に設置されているという。
提供されるビールは自社および社内ベンチャー「スプリングバレーブルワリー」を含めた10社24種類。とくに九州では宮崎県延岡市に本拠を置く宮崎ひでじビールが醸造する「九州CRAFT日向夏」が人気だ。
筆者は「九州~」を含む4種類を実際に飲んだ。
496とグランドキリンIPAはともに柑橘系の香りをもつホップが使われており、その量を増やすことで苦味も強く出ているビール。前者はそれでも後味にキレがあって飲みやすく、後者はじっくりと楽しめるタイプだった。
さっぱりと飲みつつフルーティな飲み口だったのが、姫ホワイトと九州CRAFT日向夏。前者はコリアンダーシードやオレンジピールが使用されスパイシーな飲み心地。後者は実際に宮崎産日向夏を使用したフルーツビールで、アルコールのきつさを感じさせず、喉ごしもすっきりとしていた。

キリンビールは年度内でTap Marchéを全国で1万3千店に展開したいとしており、九州では累計1,000店を目指していた。
クラフトビールの提供企業を増やしていくことにも意欲を見せており、自社製造も含め、クラフトビール全体を広く普及させたい考えだ。
【小栁 耕】