2024年04月19日( 金 )

【外国人技能実習制度】送出機関が監理団体へキックバック~「違法な金」の背景には「促進」大使の活躍も

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 外国人技能実習制度に新たな問題が浮上している。国内で技能実習生と企業を繋ぐ監理団体に対し、海外にある送出機関からの「謝礼」が支払われていたと19日、朝日新聞が報じている。

 データ・マックスでも独自に取材を進めたところ、業界内では「キックバックはかつてはよく行われていた」とある監理団体の関係者が証言した。「さすがに今はないとは思うが……」と続けるが、疑いがある団体もなかにはあるという。「所属する事業者が監理団体に支払う監理費がすごく低いところがあります。そこは金銭的な支援がほかにないと続けられないはずです」

 技能実習制度について定めた技能実習法では、監理団体が送出機関を含めた関係者から監理費以外の金銭を受け取ることを禁じている。監督官庁である厚生労働省はこれらの行為を「監理団体資格喪失に相当し、罰金刑もある」と繰り返し警告するが、いっぽうでキックバックの背景には、送出機関が監理団体に対してアピールしなければならないほど競争が激しくなっているという面がある。

 この状況をつくっているのは、他ならぬ日本政府ではないか――。そんな証言もある。東南アジアのある国では、駐在する日本大使が、駐在国の「政府の尻を叩いて(技能実習生の送り出しを)頑張っている」と別の関係者。「送出機関が技能実習生から受け取る手数料も、この大使は(その国で定められた上限額を超える)50万円まで許容している」

 許容されたお金の行き先がしれるというものだ。

【小栁 耕】

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