• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年10月06日 07:00

時流を読んだマンション事業からの脱却 社員一丸で“挑戦者”として次なる展開を(4)

 ――そうした社員が育ってきたことで、時代の流れに柔軟に対応できるのですね。

 石原 先ほどの蓄電池にしても、決して未来永劫続くようなビジネスモデルではないと思いますが、たまたま弊社が太陽光をやっていたおかげで、こうした発想が生まれてきました。そして蓄電池事業がある程度かたちになってくれば、今度はまた別のアイデアが生まれてくるのではないかと思っています。

 結局、「家」というものは、さまざまな要素とつながっています。当初は別事業と考えていた太陽光も、最終的には家に関係してきますし、浄水器だって家に取り付けるものです。規模の大小や、取り扱う商材の違いなどはありますが、同じ枠組みのなかで、新たなビジネスをいろいろと増やしていけるのではないでしょうか。

 そして、これまでは住環境だけにこだわってきたのですが、個人的には、それ以外の環境にもチャレンジしたいなと考えています。

 たとえば、ひょっとすると世の中の流れに逆行しているものかもしれませんが、現在、「スモークポイント」という喫煙ブースの販売を行っています。たとえば健康増進法の改正により、飲食店などでは来年4月から全面禁煙が義務付けられるなど、社会全体で分煙化の取り組みが広がっています。どうしてもタバコを吸わせたい場合は、喫煙ブースや喫煙所の設置を行わなければならないのですが、その喫煙ブースの販売をしています。

ダクト工事が必要な禁煙ブース「スモークポイント」
ダクト工事が不必要な喫煙ブース「スモークポイント」

 通常の喫煙所などは換気扇などが必要ですが、この「スモークポイント」はダクト工事が不要なことに加え、ガラスで囲まれたデザインが何ともスタイリッシュです。ブース内で吸っても煙が吸引されるので、衣服や髪の毛にも臭いが残りませんし、フィルターが3層式になっていて、タバコの煙もきれいな空気にして室内に循環させます。もちろん厚生労働省の分煙対策のガイドラインはクリアしているものです。これを飲食店だけでなく、ホテルやオフィスなどもターゲットに、販売を進めていきたいと考えています。

 ――最後に、今後のご自身の役割について、抱負をお聞かせください。

 石原 1つは、社内的な団結を再構築していくことが挙げられます。というのも現在、弊社の事業構成が多岐にわたったことの弊害として、以前に比べると社内的な団結や一体感などが薄れてきているのを感じます。以前の弊社は、社員が一丸となって皆でマンションを売っていましたので、マンションが売れれば社員全員で喜び、逆に売れなかったら全員で悔しがるといったような、そうした一体感が会社のなかにありました。

 ところが今は組織が縦割りになってしまったことで、マンションが売れても「私には関係ないし」とか、戸建が売れても「俺たちには関係ないし」など、他事業部への関心が薄れている状況も生まれつつあります。そこは多事業展開の弊害だと感じていますが、それではシナジー効果は生まれませんので、自分の代でもう一度、社内全体の一体感や団結をつくり上げていきたいと思います。

 もう1つ、社外的なものを挙げれば、“競合”ではなく、“協業”をつくっていきたいと考えています。弊社は販売力が強みではありますが、裏を返すと技術力では弱い部分があります。やはり今の世の中は、いろいろな新たな技術が出てきていますし、そうした技術力をもった企業と提携し、販売の部分を受け持つことで、両社のシナジー効果を発揮していくような、そうした取り組みを考えたいですね。あるいは、同じ業種同士でも競合して足の引っ張り合いをするのではなく、何らかのかたちでともに儲かっていけるような、そうした方策についても考えていきたいと思います。

 弊社はまもなく25周年の節目を迎えます。今後、弊社が展開している各事業はそれぞれに異なる局面を迎えることが予測されますが、常に多くのお客さまから必要とされる企業であり続けるために、自社の強みである“ダックスらしさ”を追求しながら、変革を恐れることなく常に挑戦を続けていく―そうした会社にしていきたいですね。

(了)
(文・構成:坂田 憲治) 

<COMPANY INFORMATION>
代 表:石原 紀幸
所在地:福岡市中央区長浜1-1-1
設 立:1995年2月
資本金:1億9,134万円
売上高:(19/1)73億8,487万円

<プロフィール>
石原 紀幸(いしはら・のりゆき)

 1963年2月生まれ、福岡市出身。九州大学卒業後、85年4月に(株)リクルートに入社。88年4月に新生住宅(株)に入社した。95年2月、(株)ダックスの設立と同時に入社。2018年3月の代表取締役副社長就任を経て、19年4月に代表取締役社長に就任した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年09月20日 07:00

実直・謙虚な姿勢で快適さを提供する

 創業64年の社歴をもつ地場有数の老舗である山本設備工業(株)。地場業界のなかでも老舗に入る企業を率いるのは、3代目代表取締役社長・山本慎一氏。今年で就任15年目に入...

2020年09月20日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】香港で起きていること~国家統治の基本となる三権分立(後)

 上述の9月1日付『産経新聞』の記事では、香港政府は高校教科書から「三権分立」の記述を削除させた、と最後に小さく記述されていた...

2020年09月19日 07:00

WITHコロナで柔軟対応戦略を展開

 「コロナ襲来でこんなに社会活動が規制されることを想像したこともなかった」と諸藤敏一社長が溜息をつく。しかし、立ち止まることはない...

2020年09月19日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】香港で起きていること~国家統治の基本となる三権分立(前)

 国の政治状況には、騒乱期と安定期がある。騒乱期には政治的争点は直ちに露見され、騒乱を激化させる。一方で、安定期には本来であれば政治的争点となる「不都合な真実」を支配...

2020年09月18日 17:48

【9/18~30】カイタックスクエアガーデンがスイーツなどのポップアップショップをオープン 新たなカルチャー発信を目指す

 「カイタックスクエアガーデン」は本日から、ポップアップショップやプロモーション拠点などとして利用できる「ワスクポケットショップ」をオープンさせた。

2020年09月18日 17:22

小田孔明選手らが豪雨被災地に義援金~復興への願い込めアスリートが数百点のグッズを無償提供

 九州出身のプロゴルファーの小田孔明選手らは、7月の豪雨で甚大な被害を受けた九州の3都市(福岡県大牟田市、熊本県人吉市、鹿児島県鹿屋市)に義援金を届けた。被災地が悲惨...

2020年09月18日 17:15

【書評】岡田勢聿の『自立論』~自らのチカラで生き抜く思考法

 青少年の自立支援を行う(一社)自立研究会は、コロナ禍で安定雇用の崩壊が深刻化するなか、いかにして自らのチカラで生き抜くのかということを主題にして、実業家・岡田勢聿氏...

2020年09月18日 17:07

医者の診断を断って、AI診断へ切り替えよう

 肺がんに罹患している友人A氏の証言を紹介しよう...

2020年09月18日 17:00

コロナで綱渡りの百貨店 高い損益分岐点、収益大幅悪化は必至

 コロナ下で百貨店が綱渡り経営を続けている。博多大丸以外は損益分岐点比率が高く、岩田屋三越とトキハ、井筒屋は95%を超え、山形屋は105.0%で、わずかな減収で赤字に...

2020年09月18日 16:52

地銀の経営統合~「待ったなし」を検証する(後)

   【表1】を見ていただきたい。47都道府県の地銀の状況表である。 ~この表から見えるもの~ ◆全国47都道府県にある地銀は、第一地銀64行、第二...

pagetop