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2019年10月05日 07:00

時流を読んだマンション事業からの脱却 社員一丸で“挑戦者”として次なる展開を(3)

新規事業への挑戦で時代の流れに柔軟に対応

 ――次なる“第3期のダックス”の事業イメージとしては、どのように描かれていますか。

代表取締役社長 石原 紀幸 氏
代表取締役社長 石原 紀幸 氏

 石原 一番に手を付けていかなければならないと思っているのは、利益率の改善です。

 たとえば弊社のマンション事業も、ここ最近は売り方にもつくり方にもオリジナリティがなくなってしまい、おそらく利益率が低かったのだと思います。平崎が最前線に立ってマンション事業の陣頭指揮を執っていたころは、いろいろと販売面での良いアイデアや、マンション的にも面白い部分があったのですが、そういったものが最近は薄れてきていました。これも、先ほどお話ししたマンション事業中断の要因の1つです。やはり、そうしたオリジナリティや付加価値などを改めて考えていかないことには、利益の確保が難しいので、そこをどう改善していくのか、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 戸建にしても、おかげさまで今はある程度好調なのですが、今後、大手グループなどが本腰を入れて進出してきた場合、いかにして戦っていくのか――。正直なところ、現在の「P-TELAS」ブランドだけでは差別化が難しいと思いますので、“セカンドブランド”の立ち上げも含めて、検討していかなければならないと考えています。それが、狭小地向けの3階建てが良いのか、はたまた何か別のかたちが良いのかはわかりませんが、技術力のある施工会社とも提携しながら、模索していきたいと思っています。

 ――新たな事業展開については、いかがですか。

 石原 実は今、新規事業として、家庭用蓄電池システムの販売を展開する予定です。このために子会社を立ち上げ、関東エリアのほうから営業を始めています。これは、09年11月からスタートした10年間の住宅用太陽光発電の優遇措置が、間もなく期間満了を迎えることを見越して始めたもので、安い価格で売電するくらいなら、各家庭で蓄電池に電気を蓄えて、夜間に使用してもらおうというものです。

 今年11月以降に日本全国で期間満了を迎える家庭が50万世帯以上あるといわれていますし、来年や再来年まで含めると、100万世帯以上だそうです。この事業は、これから必ず時流に乗ってくる手堅いビジネスとして、今後の成長を期待しているところです。

 ――そうした新規事業の立ち上げなどは、トップダウンで進められているのでしょうか、それとも社員からの提案を取り入れられているのでしょうか。

 石原 これまで弊社では、平崎というカリスマが次々と新規事業を打ち出し、「やるぞ!」という上意下達でやってきました。ですが、平崎も会長に退きましたし、いつまでも頼っているわけにもいきません。また、これまでの矢継ぎ早の新規事業展開によって、社内に「いろいろなものにチャレンジしよう」という精神が根付いてきていますから、もう変わっていかなければならない時期だと思っています。

 実は、先ほどお話しした蓄電池事業も、「蓄電池はこれから当たると思うので、自分がやりたいです」と手を挙げてくれた社員がいて、彼の発案で始めたものです。これまでの新規事業は、平崎を始めとした幹部が中心となって立ち上げてきていますが、今後は社員発信のものも含めて、さまざまなアイデアで世の中に求められるものを見出し、ビジネス化していきたいと思います。

 ――いわゆるデベロッパーの社員の雰囲気とは、随分と違ってきていますね。

 石原 昔はどちらかというと、1人ひとりが“兵隊”というか、言われたことを確実にこなすプロ集団みたいな感じでしたが、今はどちらかというと、アイデアを出して、それを事業化していく“チャレンジャー”のような感じではないかと思っています。

(つづく)
(文・構成:坂田 憲治)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:石原 紀幸
所在地:福岡市中央区長浜1-1-1
設 立:1995年2月
資本金:1億9,134万円
売上高:(19/1)73億8,487万円

<プロフィール>
石原 紀幸(いしはら・のりゆき)

 1963年2月生まれ、福岡市出身。九州大学卒業後、85年4月に(株)リクルートに入社。88年4月に新生住宅(株)に入社した。95年2月、(株)ダックスの設立と同時に入社。2018年3月の代表取締役副社長就任を経て、19年4月に代表取締役社長に就任した。

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