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2019年10月04日 13:00

母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(2) ヒガシ 躍進の軌跡 

(学)東福岡学園 理事長 德野 光博 氏
(株)冨士機 代表取締役 藤田 以和彦 氏(東福岡高等学校5期生)
福岡ロジテム(株) 代表取締役社長 小林 専司 氏(同12期生)
(医)勢成会井口野間病院、(医)周友会徳山病院
(一財)高雄病院 副理事長 岡田 勢聿 氏(同21期生)

 ――小林専司社長の時代はいかがでしたか。高校時代はボクシングで名を馳せつつ、勉学にも熱心に取り組まれ文武両道を実践されたとうかがっています。

 小林専司氏(以下、小林) 私も東光中学校の卒業生で、藤田社長の後輩になります。当時、野球部に所属しておりました。私の野球をどちらかで見てくださっていた東福岡の野球部顧問の薙野先生に『ヒガシ』への進学を薦められました。しかし私は、「県立高校に落ちたら進みます」と回答しました。その後、私は県立高校が不合格となり、東福岡に進学したのです。

 部活動に参加する際に、野球部は試合・練習とも時間が長かったことから、続けるかどうか迷っておりました。そのようななかで、校内で行われていたボクシングの試合を見て、「これこそ男のスポーツ」と熱い想いが湧き、入部しました。ボクシングは、試合・練習とも短めの時間で終わりましたので、勉強との両立が可能でした。顧問は有田辰夫先生・佐々木正昭先生でした。苦しい時期もありましたが、3年間やり遂げることができ、また、有田先生・佐々木先生、そして当時の仲間のおかげで、ボクシングに取り組む充実した時間を過ごせました。

 勉学の面では、2年生の2学期の中間考査で、文系クラス数百人の在籍者中、いつも100番前後の成績であったのが、1番になったことがありました。一所懸命に勉強したこともありましたが、ボクシングに取り組むことで集中力が高まったことも要因であると思います。

 その成績により、3年進級時に特進クラスに入りましたが、授業は0限目から7限目まであり、とてもハードで、ボクシング部の朝のロードワークで目いっぱい走った後に授業に臨むと、睡魔に襲われることもありました。当時の担任の西山國男先生は、そのような私を温かく見守り支えてくださり、そのおかげで3年間皆勤も達成できました。当時の有意義な3年間は、私の人生の礎となっています。

 ――德野理事長、お二方のお話をうかがいますと、教職員の指導の熱心さが伝わってきます。時代背景も影響したと思われますが、当時の貴学園の教職員が、情熱ある姿勢で生徒と向き合われていたことについて、ご見解をお聞かせください。

 德野 小林社長が入学された66(昭和41)年は、第一次ベビーブーム直後という時代背景もあり、65(昭和40)年には若くて優秀な教職員が多く採用されていました。東福岡は64(昭和39)年に現在地の博多区東比恵へ校舎を移転し、生徒数が大幅に増えた時期でもありました。

 まだ大学を卒業して2〜3年の若い教員は生徒と年齢も近かったこともあり、熱心に向き合いながら、親密な関係を構築していきました。本校の伝統である「面倒見が良い」はこのころにつくられたのです。今日まで、そして、これからも、この伝統が受け継がれていくのは、学園の教育理念である『努力に勝る天才なし』『意志あるところ道あり』『親の心を心とした教育、親の願いを願いとした教育』を教職員全員が理解し、この理念に沿って学園がつくられてきたからです。つまり、生徒・保護者、そして我々教職員の三人四脚で、互いに尊重し合いながら日々目標に向かって進んできたのです。

 学園は『文武両道の男子進学校』を標榜しています。その環境のなかで、各々の志を明確にして日々学び続けることで、1人ひとりが伸びていきます。そのころ本校に入学する生徒のほとんどは、中学校時代に先生に良い意味でも悪い意味でも“お世話をかける”ことがなく、いわゆる平均的な普通の生徒たちが多かったのです。そのなかにたくさんの“原石”がありました。教員は、「一緒になって育てよう」「志を高く持てば未来は開ける」と生徒に熱く訴え続けてきたのです。

(つづく)
【文・構成:河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
(学)東福岡学園
東福岡高等学校
理事長:德野 光博
学校長:松原 功
所在地:福岡市博多区東比恵2-24-1
URL:http://www.higashifukuoka.ed.jp

<プロフィール>
德野 光博(とくの・みつひろ)

 1953年福岡県生まれ。県立修猷館高等学校卒業。早稲田大学社会科学部卒業、福岡大学大学院法学研究科前期課程修了。78年4月に東福岡学園 東福岡高等学校入職。2002年4月より学園理事長。17年11月藍綬褒章。趣味はスポーツなどの試合観戦。

<プロフィール>
藤田 以和彦(ふじた・いわひこ

 1943年、福岡県生まれ。東福岡高等学校5期生。福岡大学中退、実父経営の鉄工所に入社。69年9月に事業を継承。72年9月に(株)富士機鉄工(現・(株)冨士機)を設立し、代表取締役に就任。グループ会社の(株)セントラル商工の代表を兼務。趣味は登山。

<プロフィール>
小林 専司(こばやし・せんじ)

 東福岡高等学校12期生。中央大学卒。2005年10月福岡ロジテム(株)を設立、代表取締役社長就任。会社経営とともに、ボランティア活動にも精力的に参加。福岡県中小企業経営者協会(連)会長。

<プロフィール>
岡田 勢聿(おかだ・せいいち)

 1960年福岡市生まれ。東福岡高等学校21期生。福岡大学商学部卒業。麻生商事(株)入社。退職後、専門学校川崎リハビリテーション学院作業療法科入学。卒業後、社会医療法人財団 白十字会で作業療法部主任を歴任後退職し、発達障害児施設知徳学園を福岡市で開設し園長を務める。その後、NPO法人理事長を経て、現在は(医)勢成会井口野間病院、(医)周友会徳山病院、(一社)高雄病院の副理事長を務める。また、九州大学医学部第一内科教室でリエゾン精神医学を専門習得生として研究中。

【母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念】の記事一覧

母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(5)(2019年10月09日)
母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(4)(2019年10月08日)
母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(3)(2019年10月07日)
母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(2)(2019年10月04日)
母校の学びを心に刻み日々歩む~受け継がれる『ヒガシ』の理念(1)(2019年10月03日)

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