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2019年10月15日 14:00

ベトナムで勢いを増す韓国企業(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 ベトナムに世界各国が注目している。東南アジアの国々のなかで、今後最も成長していく国はおそらくベトナムだろう。それを証明するかのように、ベトナムは昨年、7.08%の経済成長率を記録した。

 先進国の2%台のGDP成長率を考慮すると、ベトナムの成長率がいかに高いかがわかる。ベトナムはもともと中国以外のもう1つの生産拠点として脚光を浴びていた。ところが、米中貿易摩擦が激化したことで、中国リスクを回避するため、工場をベトナムにシフトするところが多くなった。ベトナムは現在、その恩恵に浴している。

 今回は韓国企業がベトナム経済にどのような影響を与えているかを取り上げてみよう。

 ベトナムには一体どんな魅力があるのだろうか。東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかで、人口の多い国はインドネシア(約2億4,000万人)、フィリピン(約1億人)、それからベトナム(約1億人)の順である。そのなかでベトナムは、平均年齢が30才ぐらいで、若い人が多く、高い経済成長が見込まれている。人口が多いということは、労働力が確保しやすいし、将来、消費市場としても魅力があることになる。さらに、労働力が豊富なだけでなく、人件費も安い。

 ベトナムの人件費は、中国と比較すると、半分以下である。また、ベトナムは治安が良く、政治が安定しているのもメリットである。また、ベトナム人は日本人や韓国人のように手先が器用である。

 韓国企業はベトナムへの進出を加速させている。8月基準でベトナムの海外からの直接投資金額は3,537億ドルに上っている。 国別で見たベトナムへの直接投資額は、2013年までは韓国より日本が多かった。それが、2014年から韓国が日本を追い越し、その後、韓国は直接投資額で、ずっと1位をキープしている。韓国は昨年も直接投資金額全体の18.4%(78兆ウォン)を占め、1位だった。2位は日本で、投資額は約7兆円となっている。

 最近ベトナムへの外国の直接投資額の約3割は、韓国が占めている。それだけでなく、ベトナム輸出品目のトップの座を占めているのは携帯電話と半導体などであるが、それがベトナム輸出全体の3分1となっており、金額的には260兆ウォンくらいである。

 ベトナムが輸出している携帯電話のほとんどはサムスン製で、サムスン電子はベトナムGDPの4分1ほどを占めるくらい、ベトナムの経済成長に寄与している。

 それでは、もっと具体的な事例を見てみよう。

 サムスン電子は1995年にベトナムにベトナム販売法人を設立することで、ベトナム進出をはたした。現在、サムスンの携帯電話のベトナムでの市場シェアは、断トツの1位で46.5%、中国のスマホメーカーであるオッポが19.4%、アップルが9.2%となっている。

 サムスン電子は全世界の携帯電話の半分をベトナムで生産している。サムスン電子が雇用しているベトナム人は2017年末で約16万人に上っている。ベトナムで生産した携帯電話を世界に輸出しているため、携帯電話はベトナムの輸出主力品目で、サムスン電子はベトナム輸出の25.3%(542億ドル)占めるほどに、ベトナム経済に大きな影響力をもつようになっている。

(つづく)

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