2021年12月07日( 火 )
by データ・マックス

北洋建設総帥・脇山章治氏の次なる戦略は(15)

「九州みらい建設グループ」発足の真意はいかに(2)

 (株)北洋建設は福岡県で、地場トップクラスの実績を誇るゼネコンである。さらに脇山章治会長は、建設業界で最大の戦略家と評される人物である。これまでいくつもの会社を支援し、立ち直らせ、グループ自体も大きく発展させてきた。今年4月、脇山氏が代表を務める(株)九州みらい建設グループが傘下に九州5県のゼネコンを収め、スタートしたことを発表した。その真意はいかに?データ・マックス社内で、緊急座談会を行った。

脱・請負目指し、バブル崩壊後も増収増益

 河原 業界で名前がよく登場し、頭角を表し始めたのは15年ほど前でしょうか。脇山氏が社長に就任した後、何期にもわたり、連続増収増益を続けていました。1990年代後半ぐらいから急速に力をつけ、2000年に入る頃には基盤づくりが完了したのではないでしょうか。その基礎が光り始めてきたのが、今の北洋建設なのでしょう。

 緒方 バブルがはじけて建設業界全体が四苦八苦しているときに、増収増益を続けていたことが強く印象に残っています。リフォーム重視を打ち出したのが早かったのだと思いますが、新築物件の少ないときに売上を伸ばしているのですから、やはり先見の明がありました。

 河原 それまで北洋建設が目立たなかったのは、NTTの鉄塔関連で仕事を行っていたからでしょうね。60~70億円の売上のうち、10億円程度はあったはずです。その後、住友林業の戸建住宅建築が増え、シェアを伸ばしていきます。単価1,500万円以上で、数も多かったため、急激に売上規模を拡大していきます。

 青木 そして企業としての体力を蓄えていきます。福岡以外でも住友林業から工事の応援を要請されることもしばしば。九州全域に支店を拡大していきますが、九州までに限定したのは、正解だったと思います。

 東城 やはり住友林業が北洋建設、脇山氏の経営にとっても、原点になるのは間違いありません。今でも30億円以上はあるのではないでしょうか。過去には売上の半分が住友林業からの受注であったという年もあります。そういう意味では、あちこち顔を出さずに、1つの仕事に集中できる環境にあったのでしょう。

 青木 脇山会長の自身の性格も、質素で堅実。無駄なものにはお金を使わないし、自ら中洲に繰り出すこともありません。

 緒方 昨年秋に、一般社団法人日本木造住宅産業協会九州支部長としての功績が認められ、黄綬褒章を受章しました。同氏の性格上、辞退するのではないかとも思いましたが、周りの後押しもあったのでしょう。800名もが来場し、記念式典が盛大に開催されました。そういう意味では、お金は使うときには、惜しまないこともわかりますね。

 河原 過去の調査で、売上規模は把握していましたが、その内訳ははっきりしませんでした。住友林業、NTTの鉄塔、リフォームの割合がどれぐらいなのかという部分です。  ただ、マンションのリフォームは競合しながらも、多く受注していたという印象はあります。

 緒方 当時もリフォームは業者同士が叩き合い、なかなか利益が出ない状況にありました。また、リフォームと新築では、仕入業者や下請け業者も使い分けていたと聞いたことがあります。やはり利益を残すために、いろいろと考えを持って動いていたようですね。

 東城 当時はどのゼネコンも、新築物件が少ないと嘆いていました。そんなときに、リフォームを取り合っていた。その戦いに、うまく勝っていった。どこもがリフォームに着目しながらも、北洋建設が受注できたのは、プレゼンのうまさだと聞きました。マンション管理組合が受注先ですが、当時から現代的なプレゼン手法をいち早く取り入れ、実績と信頼を勝ち得ていたのです。地場有力ゼネコンでは、ここ10年での成長率は北洋建設がトップでしょうね。

(つづく)

 
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