2024年04月18日( 木 )

代表逮捕のガイナックスは生き残れるか

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 アニメをはじめとする映像作品の企画から製作・販売までを手がける(株)ガイナックス。同社代表取締役の巻智博氏(50)が、5日、少女に対するわいせつ容疑で逮捕されたニュースは、大きな話題となった。巻代表の逮捕を受け、同社は「この度の報道につきまして、関係者の皆様に多大なご迷惑と不安を与えてしまったこと、深くお詫び申し上げます。本事象におきまして事実関係を確認し、厳正な対処を行ってまいります」とコメントしている。

 ガイナックスは1984年12月に設立。「トップをねらえ!」や「ふしぎの海のナディア」などのアニメ作品の製作で実績を残し、相応の知名度を有するまでに成長した。しかし、同社オリジナルアニメ作品製作における主力アニメーターの庵野秀明氏が2007年に退社。同氏は現在、アニメ製作や社会現象を巻き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」ほか複数作品に関する版権管理などを手がる、(株)カラーの代表取締役社長を務めている。庵野氏の退社以降、ガイナックスは同氏が手がけた作品の商品化にともない、(株)カラーに使用料を支払う契約を締結していた。

 こうした状況のなか、16年12月に(株)カラーが貸付金約1億円の返還を求めてガイナックスを提訴。同裁判は19年12月現在も係争中となっている。

 1人の人材が退社したことから始まったガイナックスの低迷。売上高は14年7月期に11億4,700万円を計上してから下降線をたどっている(下図参照)。

※クリックで拡大 (単位/千円)

 厳しい経営環境下にある同社を襲った今回の代表逮捕。はたして会社を立て直すことができるのか、その動向が注目される。

【代 源太朗】

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