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2020年02月17日 07:00

「コインランドリー業界」と「宮崎の地域振興」に大きな転換点を引き起こす2020年(後)

WASHハウス(株) 代表取締役社長 児玉 康孝 氏

 企業活動では、理念を現実のビジネスにどのように落とし込み、達成させていけるかという点に経営者の手腕があらわれる。児玉社長が創業当初から、コインランドリー事業の先に見据えてきた構想の現実化がいよいよ近付いてきた。地元宮崎の地域振興にも範囲を広げ、さまざまな仕掛けを施してきた活動が、業界に大きな転換点を引き起こす。

(聞き手:弊社代表取締役社長・児玉 直)

コインランドリー業界がひっくり返る

 ――洗濯機の利用料を無料にするための、これまでの活動をお聞かせいただけますか。

 児玉 私はコインランドリー事業を始めた当初から無料化をテーマにしており、その足がかりとして、店内にタッチパネルを設置しています。広告収入を可能とするタッチパネルは、洗濯を無料で提供することへの布石です。現在開発中の洗濯機には、多言語対応機能とキャッシュレスの決済機能も追加しており、弊社独自の洗濯機となります。スマートフォンアプリの実証テストも先日済ませました。洗濯機とタッチパネル、そしてアプリが連動し、付加価値を高め、利用料無料を目指します。

 ――この洗濯無料化に向けた活動は、どの程度まで進んでいる状況でしょうか。

 児玉 合弁会社が立ち上がり洗濯機の開発は着実に進行しています。キャッシュレス決済や広告の仕組みを詰めている段階で、年内には新たな展開の一部をスタートさせる考えです。

 ――御社がコインランドリービジネスで、九州を基盤に成功した理由は。

 児玉 私たちが上場した3年前ごろから、コインランドリービジネスはブームになりました。新たに多くの店舗や企業が増えましたが、東京などでは人口に対する利用率は上がっていないので、うまく行ってないところもあるようです。弊社が九州を中心に西日本で店舗を増やせたのは、テレビCMを使って利用率を上げていったからです。

 東京は、人口は多いのですが、コインランドリーを使う人がまだ少ないので、簡単には売上が上がりません。コインランドリーの需要をつくり出すには、利用率を上げなくてはなりませんが、宮崎からはその発信がしやすいということがわかっていました。そこで私はテレビCMを使ったマーケットメイクを行いながら、九州キー局のローカルネットワークをうまく活用できる範囲の山口県までを一気に攻め、展開しました。テレビCMによって利用率を上げる環境整備と出店を同時に行ったわけです。

 一方で弊社は、出店数のみを追いかけているわけではありません。全体の売上高ではなく1店舗ごとの収益性を重視しています。売上高を追うようになると、収益性の低い店舗をつくってしまい後で苦しむことになります。とくにこの3年はブームに乗ることなく、売上の上がる場所にしか出店しないというコンセプトに合う店舗だけを出店してきました。

 現在、600店舗を超える店舗数を展開していますが、これらの店舗で将来、広告運用ができて、無料で洗濯ができるようになれば、他社との競合は皆無になり、お客さまにも喜ばれて利用率もさらに上がっていくのではないかと考えています。

(了)
【文・構成:吉田 誠】

洗濯で災害支援「WASHハウス移動式ランドリー車」を開発

災害時用 WASH移動式ランドリー車
災害時用 WASH移動式ランドリー車

 WASHハウス(株)は、災害復興支援にも力を入れている。2019年10月に宮崎県と締結した「災害時における洗濯環境の提供に関する協定」は、台風や大雨被害などの自然災害が起こった際に、被災者などに最低価格で衣類などの洗濯ができるようにするもの。対象となる地域や店舗では、無料または動作開始に必要な最低料金の100円で利用できるようにすることを想定している。

 16年から開発を進めてきた「災害時用WASHハウス移動式ランドリー車」も19年3月に完成させた。13t車をベースに6台の大型洗濯乾燥機を備え、地震や水害などの大規模災害が発生した際に、現地に出動し洗濯環境を提供するものだ。自治体などと連携を取り要請に応じて、出動可能地域は国内全域を対象としている。

 11月には要請を受けて、台風19号の千曲川堤防決壊により甚大な浸水被害が出た長野市に出動。このために大型免許も取得した児玉社長が、自らハンドルを握り現地入り。社員も交代で現地派遣し災害復興支援に貢献した。

 自社の事業展開とともに、地域や社会への貢献活動も同時に進めている同社の根底には、「世の中に必要な会社になっていければ」という児玉社長の想いがある。

 同社が本社をおく宮崎市は05年に台風14号により甚大な被害を受けた。市内各地で浸水するとともに、上水道施設が冠水したことで、宮崎の経済や行政の中心となる地域で最大45日間という長期断水を経験した。

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