2024年04月20日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~新型コロナで中国人の「引きこもり消費」加速

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 初めてウイルスが確認された中国では、外出が厳しく制限されるなど市民生活に甚大な影響を与えている。

 大学院生の李さんはこのほどマスコミの取材に答えるなかで、「家にこもってだいぶ経つ。髪の毛がぼさぼさになったので、自分でカットするしかなかった」と話した。新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、全国各地の美容院は再開していないところが多く、美容師が見つからない人がネット通販でヘアカッターを購入して、「外に出られず自分でカットしなければならない問題」を解決しようとしている。

 統計によると、ECプラットフォームの「拼多多」では最近、「ヘアカッター」の検索件数が前年同期比410%増加し、数十機種は販売量が同290%増加した。ペット用トリミングカッターの販売量も大幅増加したという。

 オフラインの買い物には影響が出たが、オンラインショッピングがその穴を素速く埋める。感染対策の期間中、ハンドミキサー、ヨガマット、冷凍食品など「引きこもり生活に役立つ商品」がネットユーザーの間で人気となり、美容や調理など 「引きこもり生活に役立つ技能」も次々注目を集めるようになった。

これまで人気のなかった商品が突然大人気に

 引きこもり生活は特別な消費ニーズをもたらした。ヘアカッターという普段は引き合いも少ない商品が突然大人気になっただけでなく、ほかにもいろいろな商品の売り上げか大幅に増加している。

 防護用品は感染状況のなかで伸びがもっとも目立つ製品だ。マスクだけでなく、どこの家でも消毒液、ハンドソープ、アルコール消毒綿、使い捨て手袋などを購入するようになった。蘇寧がまとめた統計データでは、「威王」(vewin)ブランドの84家庭用除菌液、「滴露」(デトール)ブランドの衣類除菌用液体洗剤、「藍月亮」ブランドのアロエ静菌ハンドソープの売上は2019年同期に比べ、威王が2561%、滴露が643%、藍月亮が1616%、それぞれ増加した。

 ショッピングサイトの唯品会の関係責任者は、「1月28日から2月4日までの間に、唯品会の衛生関連商品の売上は前年同期の10倍以上に増え、中でも消毒液は873%増加した。家庭用品の売上は367%増加し、このうち紫外線消毒器は300%近く増加した。体温計、耳式体温計など体温計類の売上も20倍近く増加した」と話す。

 食品では、冷凍食品類のオンライン販売量が飛躍的に増加した。感染症の影響で外出が制限され、いざというときのために食品をストックしておきたいと考える人が増えた。こうして冷凍水餃子、豚肉・羊肉、野菜・果物などの食品のネット販売量が急速に増加した。京東が提供したデータでは、最近は冷凍総菜類商品の売上が前年同期の10倍に増え、中でも「呉大娘」ブランドの水餃子は春節(旧正月、今年は1月25日)から現在までの売上高が前年同期の45倍に達したという。

 家で食事をつくる機会が目に見えて増加したという人が多く、調味料類の売上も増加した。美団がこのほど発表した 「2020年春節おうち経済ビッグデータ」によれば、今年の春節連休期間には、ネギ・生姜・二ンニクの注文数が393万件に上り、しょうゆ、酢、香辛料粉ミックスの十三香といった各種調味料全体の売上も8倍以上増加した。

 家にこもり、外で運動する機会が大幅に減少したため、屋内ウォーキングやヨガが体を動かす最良の方法になった。各種ウォーキングマシン、トレーニングマシン、ヨガマットなどのトレーニング機器・用品の売上が急上昇している。

 従来型の娯楽のスタイルに飽き足らない人は多く、新技術が牽引する仮想現実(VR)ゲームモデルを模索し、VRゴーグルやVRコントローラーをネットで購入して、よりリアルで刺激的なゲームの世界を体験するようになった。天猫国際(Tmallグローバル)では、体感型ゲームのコントローラー販売量が前年同期の4倍以上になったという。


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