2024年05月09日( 木 )

中国は5月1日から5連休に突入~9,000万人が国内旅行か

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武漢市のシンボル 黄鶴楼

 4月29日、北京市は30日から感染予防の緊急対応(重大突発公共衛生事件)のレベルを1級から2級に下げることを発表した。これにより、これまで他省から北京市に入る際の移動規制も緩和され、北京市での14日間の自宅・宿泊施設待機が不要となった。なお、中国外および湖北省など一部の新型肺炎の感染リスクがいまなお比較的高い地域からの移動には引き続き制限が課される。

 国会に相当する全国人民代表大会が3月から延期されていたが5月22日から開催されることが決まったこと、また本日5月1日から労働節休暇に入るという事情なども、緩和の決定を後押ししたのであろう。

万里の長城(北京市郊外)

 労働節休暇は武漢市の都市封鎖解除(4月8日)以降で最初の連休となる。また、この労働節休暇は2008年から3連休となっており、4連休であった年もあるが、(元は7連休であった)、今年は5連休に変更され、旧正月休暇、国慶節休暇に次ぐ大型連休となっていたうえ、新型コロナウイルスの感染で抑えつけれらていた市民の旅行意欲は高まっている。中国の最大手オンライン旅行会社Trip.com(携程)が4月下旬に発表した報告書によると、労働節連休に国内で旅行に出かける人は延べ9,000万人を超えると想定されている。北京市の移動制限緩和の発表を受けて、航空券の予約は急増したようだ。

 ただ、連休が長くなり、かつ北京市などの移動制限を緩和する分、感染の再流行が懸念される。市民の間でも感染を警戒してか、旅行会社とシンクタンクの合同調査によると、旅行の際の移動手段として自家用車を選ぶ比率が最多で41%、高速鉄道29%、バス16%、飛行機14%となっており、予防のため公共交通機関を避けようという意識が働いているようだ。 

【茅野 雅弘】

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