2024年04月16日( 火 )

コロナショックで流通産業に激震~韓国ではネット通販大手クーパンが急伸(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

オンラインシフトで、急速に伸びる食料品のネット通販

 新型コロナウイルスの感染拡大は依然として続いており、いずれの国も今後の見通しが立っていない。さらに、今年の秋から冬にかけて感染者増加の第2波や第3波が来る可能性が高いとも言われている。状況を総合的に考えると、新型コロナウイルスの感染拡大は、1年以上長期化するのではないかという推測も成り立つ。コロナショックで経済損失も膨らみつつあるが、コロナ危機をどのように対応すべきかについて考えるため、歴史を振り返ってみよう。

 歴史上、今まで幾度も、人類はウイルスに襲われてきた。なかでも世界的なパンデミックとなった1918年のスペイン風邪は有名で、約3年間に3回の波がきて、人類の1/4が感染した。スペイン風邪の感染拡大によって、経済は長期間にわたって著しく悪化した記録がある。今回のコロナショックも、これまで常識とされてきた業界のルールを変え、ビジネス環境に大きな影響を与えた。これまでもパンデミックのような大きな経済危機が訪れたときに、環境の変化についていけない企業は倒産し、不況を乗り越えた企業は大きく成長した。環境の厳しさが増している小売業などの流通業が、いかに「激変」しているかを取り上げてみよう。

 「コロナ後」の消費者の動きは、以前と異なるものになった。日常生活の変化で、消費者の動きも変わったことが、「流通激変の起爆剤」になろうとしている。外出規制などによって、外出することで楽しんでいた買い物が、強制的にオンラインにシフトしつつある。コロナショック以前からも、オンラインショッピングは伸びていた。しかし、現在は買い物のオンラインへのシフトが、以前よりも急激に進んでいる。その結果、各社のEC売上は堅調な伸びを示している。食料品のEC売上高は、2019年は1日あたりの全売上高の5%程度に過ぎなかったが、20年3月1日には同11%に、22日には同41%に急増した。感染拡大を防ぐことが最優先されるなかで、EC売上が急速に伸び、関係者も驚きを禁じ得ない状況となっている。

(つづく)

(後)

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