2024年04月29日( 月 )

中国経済新聞に学ぶ~中国経済、コロナからプラス成長に転換(後)

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 外需は回復が鈍い。1~6月の輸出(ドル建て)は前年同期比6.2%減った。1~3月(同13.3%減)から減少幅は縮んだが、回復のペースは緩やかにとどまる。新型コロナの感染は世界中で拡大しており、今後の回復も見通しづらい。

 米CNBCは「中国域内企業は速やかに操業再開しただけでなく、域外サプライヤーの生産能力の回復を促し、国際サプライチェーンの回復をけん引した」と指摘した。

 米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は「中国政府は速やかで効果的な感染対策を講じ、とくに公衆衛生部分で適切に対応した。これは経済がスムーズに回復し、世界の先頭に立つ上で重要だった」と述べた。

 今年の「前半戦」を振り返ると、経済運営が比較的大きな圧力に直面したが、中国経済の安定しつつ好転し、長期的に好転するファンダメンタルズに変化はなかった。中国は危機のなかで新たなチャンスを育み、変局のなかで新しい局面を切り拓くための取り組み、世界を喜ばせる答案を提出した。より不安定で不確実な世界において、中国は経済の質の高い発展の実現を推進し、感染症の雲に覆われた世界経済に尽きることなき自信と原動力を注ぐ自信と能力をもっている。

 下半期から来年上半期にかけては久しぶりに高度成長期を迎えることが期待される。最終的に、慣性を打ち破り、より輝かしい未来を迎えられるかどうかは、このたびの大規模な政策と一連の改革措置が中国経済成長に対して行う基礎の再構築と局面の再構成によって決まる。

 中国マクロ経済フォーラム(CMF、2020年中期)が発表した「感染症の打撃・修復調整・基礎再構築の中国マクロ経済」報告書では、「今後しばらくの間、中国経済は回復の道のりで6つのリスク・挑戦に直面する」と注意を促し、次のように提起した。

 (1)感染症の発展に変数が存在し、外部の情勢が厳しく複雑であるため、最低ラインという考え方を堅持する必要がある。
 (2)ニーズの回復ペースは供給よりも遅く、需給不足が引き続き拡大しているため、内需を全面的に拡大する必要がある。
 (3)内部構造の分化が深刻で、バケツ原理が顕在化する可能性があるため、「6つの保障(住民雇用の保障、基本的民生の保障、マーケットエンティティの保障、食糧・エネルギー安全の保障、産業チェーン・サプライチェーン安定の保障、末端の行政運営の保障)」の任務を突き固める必要がある。
 (4)マーケットエンティティの心理が変化し、行動モデルが保守的になっているため、「カンフル剤」を打つ必要がある。
 (5)政策の伝達に障害があり、関連のメカニズムは整備が必要であるため、マクロ調整を充実させる必要がある。
 (6)トレントの力が徐々に顕在化し、潜在的成長率が低下する可能性があるため、改革によってエネルギーの転換を促進する必要がある。

 こうした判断に基づき、同報告書は中国人民大学の中国マクロ経済分析と予測モデルであるCMAFMモデルを利用して、中国経済の一連のマクロ指標を次のように予測した。「経済自体の調整と一括した大規模な政策の牽引効果を総合的に検討すると、20年の中国の実質GDP成長率は3.0%前後になると予測され(数値予測は2.9%)、19年の成長率を約3ポイント下回るが、グローバル経済の成長率をはるかに上回り、世界のGDPに占める割合も1ポイント上昇して17%に達するだろう」。

(了)


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