2024年04月29日( 月 )

中国経済新聞に学ぶ~中国経済、コロナからプラス成長に転換(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 中国国家統計局が7月16日発表した2020年4~6月の国内総生産(GDP)は物価の変動を除いた実質で前年同期比3.2%増えた。新型コロナウイルスの影響でマイナス成長となった前期から生産や投資が急回復し、2四半期ぶりに拡大に転じた。新型コロナの感染状況が落ち着き、経済活動の正常化が進むなか、世界に先駆けて成長軌道へ戻ったことを裏付けた。

 中国の実質GDPは1~3月に前年同期比6.8%減り、四半期の成長率を公表し始めた92年以降で初のマイナスだった。中国は3月中旬には新型コロナの感染拡大を止め、2四半期連続のマイナス成長による「景気後退」は回避した。

 前期比の実質成長率 (季節調整済み)は11.5%と1~3月(マイナス10.0%)からプラス転換した。先進国で一般的に用いる、前期比の伸び率が1年間続いたと仮定した「年率換算」の成長率は55%程度になる。

 同時に発表された4~6月期の生産と消費、投資の動きを示す統計は、軒並み1~3月期に比べて改善をみせている。外国で新型コロナの流行が続き外需は弱いままだが、政府が工場の再開を推進しており、鉱工業生産は4.4%増となった。1~3月期の8.4%減から大きく戻した。

 固定資産投資は1~6月期は3.1%減だった。1~3月期の16.1%減から改善した。道路や鉄道などインフラ投資は1~6月に同2.7%減となり、減少幅は1~3月(同19.7%減)から大幅に縮小した。不動産開発投資は1~6月に同1.9%増え、1~3月(同7.7%減)からプラスに転換した。

 4~6月の小売総額は1~3月期の19%減から3.9%減まで戻したが、プラスにはならなかった。

 スーパーや百貨店、電子商取引(EC)などの売上局を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)は、1~6月に前年同期比11.4%減った。6月単月では前年同月比1.8%減った。「巣こもり消費」を背景にインターネット販売は好調で、モノとサービスの合計で1~6月に前年同期比7.3%伸びた。一部で「爆買い」が戻ったが、多くの人が失業や減収といった苦境に陥り消費全体は低調だ。

(つづく)


中国経済新聞を読もう

<連絡先>
(株)アジア通信社
所在地:107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:china@asiahp.net
URL:http://china-keizai-shinbun.com

(後)

関連記事