【西部ガスHD 企業研究(1)】収益率では本業を上回る電力・不動産事業

 西部ガスホールディングス(株)の研究記事の第1弾として、グループが現状でどのような状況にあるか確認しておきたい。

 同社では「本業回帰」、つまり周辺事業からガス事業に軸足を移す方針を示している。結論から先にいうと、26年3月期第3四半期の決算を見る限り、周辺事業である電力・その他エネルギー事業と不動産事業がとくに収益面で牽引している状況が見て取れる。

 1月29日に発表された26年3月期の第3四半期決算によると、売上高は1,900億3,700万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は73億9,100万円(同141.4%増)、経常利益は86億4,200万円(同120.6%増)、当期純利益は59億8,800万円(同150.9%増)。売上高、営業利益、経常利益がいずれも過去最高となった。

 セグメント別に見ると、ガス事業の売上高は原料費調整によるガス料金単価の下方調整の影響などから前年同期比2.2%減の1,082億2,500万円となった。利益(セグメント)はひびきLNG基地の減価償却費の減少などにより、33億2,900万円(前年同期は赤字4億8,300万円)となった。

 LPG(液化石油ガス)事業は売上高178億5,900万円(同0.3%増)となった。収益面をみると、季節的変動などにより前年同期の赤字7億7,700万円から赤字6億7,600万円に改善された。

 電力・その他エネルギー事業は、電力販売事業や国際エネルギー事業における販売量増加などにより売上高が同36.1%増の231億5,800万円となり、利益も同47.0%増の12億3,800万円となった。

 不動産事業は、分譲マンションの販売戸数増加などにより同43.0%増の382億3,500万円となり、利益は売上高の増加により同24.7%増の33億9,100万円となった。

 食品販売や情報処理などを含む「その他事業」は、食品販売事業や炭素材事業の売上減少などにより同1.2%減の165億4,400万円となり、利益は売上高減少、販管費増加などにより同79.9%減の9,000万円となっていた

通期業績を上方修正

 なお、通期(26年3月期)の業績予想については、売上高2,600億円(前期比2.2%増)、営業利益115億円(同9.2%増)、経常利益120億円(同13.1%増)、当期純利益80億円(同25.7%増)と上方修正した。これは電力・その他エネルギーにおいて、売上高、営業利益が前回予想を上回る見通しであるためだ。

 ところで、26年3月期第3四半期のセグメント利益をみると、利益全体の73億7,200万円のうち、本業のガス事業以外が全体の54.8%を占める40億4,300万円となっている。また、不動産事業が全体のうち45.9%を占め、ガス事業はそれに次ぐ45.1%となっている。

 利益率についても本業のガス事業は3.6%なのに対し、周辺事業の電力・その他エネルギー事業は5.3%、不動産事業は8.8%と高い。つまり、利益を稼ぐ力を持つ企業がグループ内にはいくつか存在するわけである。たとえば、不動産事業における(株)エストラストなどがそれに当たる。

 その一方で、食品関連事業などを展開する企業には、収益性に課題を抱えている企業が存在していることから、西部ガスHDがこれまでの事業の多角化を見直し、本業回帰へ改めて軸足を移そうとする要因の1つとなっているものとみられる

 【西部ガスHD研究(2)】では、主要なグループ企業の1つである西部ガスリビング(株)に関連する記事を掲載する。

【特別取材班】

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