• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年07月28日 16:34

【スクープ】アイランドアイのホテル事業で内紛 高島市長のオトモダチ企業が詐欺的集金か

 福岡市東区の和白沖を埋め立てて造られた人工島「アイランドシティ」のほぼ中央にあたる「センター地区」でのホテル開発をめぐって、運営予定者の株式会社HEARTS(以下、ハーツ社)と健康食品通販の「やずや」の間でトラブルが発生している。

「Little JAPAN」はどこへ? 当初計画からかけ離れた現実

現在のアイランドアイ

 データ・マックスは2017年12月に、「アイランドシティを舞台に新たな疑惑~Little Japan」と題して、アイランドシティセンター地区のホテル・アミューズメント施設建設計画に絡む疑惑を報じていた。

 疑惑の中心人物は、高島宗一郎・福岡市長の「オトモダチ」である、ハーツ社代表の戸島匡宣氏。数々の金銭トラブルを抱えていた人物がなぜ、巨額の公費が投じられる事業の運営主体に名を連ねているのか? この問題提起が核心をついていたことを物語る事実がいま、司法の場で明らかになっている。

 問題のホテル「福岡アイランドシティホテル」(以下、福岡ICホテル)は今年11月の完成を目指して建設が進んでいるが、先行して今年3月にオープンした付属商業施設「アイランドアイ」は目論見通りの集客が果たせず、コロナ禍も重なったこともあって17年の記事中で予想していた通りの悲惨な状況に陥っている。さらにホテルの売りになるはずだったMICE(会議や研修会、集会などのイベント)事業もコロナ禍で実施が危ぶまれており、アイランドアイの大型免税店「FUKUOKA BAY PLAZA」は後述する金銭トラブルのためにオープンしないまま4カ月が過ぎた。

公募時に福岡市に提出されたホテルの完成予想図。
ホテルの手前にアミューズメント施設「Little Japan」が入る計画だった
福岡アイランドシティホテルの当初計画図
当初の計画では、ホテルの前に桜並木が広がることになっていたが……
ほとんど訪れる人のいない、アイランドアイ

 そもそも、このホテル計画の「目玉商品」は、いまは広大な駐車場となっているホテル前のスペースに造られたはずの「Little Japan」と銘打たれた体験型アミューズメント施設だった。それが紆余曲折、なぜかハウステンボス歌劇団の専用劇場がつくられ、100均ショップや学習塾が入るという、コンセプトのよくわからない中途半端なショッピングモールが誕生した。「ここはあまり人がいないから、感染を避けるにはちょうどいい場所」という買い物客のコメントこそ、アイランドアイの実態を物語っている。

ハーツ社の実態は自転車操業か―訴訟頻発

「Little Japan」の計画書では、日本体験ができる街並みをつくることになっていた

 冒頭で述べた、「(17年の記事における)問題提起が核心をついていた」ことを物語る事実とは、福岡ICホテルの運営をめぐる内紛だ。

 ハーツ社とやずやは、ホテルとそれに付随する事業(当初の計画では「Little Japan」運営事業も含まれる)にあたって福岡アイランドシティ特定目的会社(SPC)を設立し、不動産事業を行うジョーンズラングラサールなどがテナント募集などの施設運営を担当してきた。しかし、ハーツ社とやずやの間での金銭をめぐるトラブルが訴訟にまで発展しており、現在ハーツ社はホテル事業の運営から追い出されたかたちになっている。

 7月2日に第一回口頭弁論が行われたのは、ハーツ社がやずやに対して起こした不当利得2,168万円の返還を求める訴訟だ。18年10月26日、ハーツ社はやずやからSPCの優先出資持分への出資金として13億4,000万円を借り受けた。返済期間は19年4月から28年10月までだが、契約内容には「ハーツ社について第三者から見ても信用できない事由が発生した場合、やずやがハーツ社の同意を得ずに質権を実行する」という内容が含まれていた。

 そして19年9月9日、やずやからハーツ社に対して質権を行使する旨の通知が届く。やずやは出資した優先持分を10億円で売却しており、残金の返済を求めていた。ハーツ社の主張によれば同社はこの要求を「期限の利益喪失にともなうもの」と考え、19年9月30日と10月31日の2回に分けて、やずやに2,168万円を支払った。今回の裁判は、ハーツ社が支払ったこの2,168万円の返還を求めるもの。

やずや「ハーツ社はホテル事業にいっさい関係ない」

18年8月段階では、営業予定者として
HEARTS社と戸島氏の名前がある

 一方、やずやも貸金の返還を求めてハーツ社を提訴している。やずやの代表取締役社長で創業者の息子である矢頭徹氏は16年10月、ハーツ社に1億4,000万円を貸し付けた。連帯保証人はハーツ社代表である戸島匡宣氏で、無利子・返済期限は約4年後という好条件だが、ハーツ社が返済しなかったため、昨年4月に矢頭氏から債権を譲り受けたやずやが返済を求めて提訴している。

 ハーツ社はやずやとの訴訟以外にも金銭トラブルを抱えている。アイランドアイで大型免税店「FUKUOKA BAY PLAZA」を運営するALEXANDER & SUN(本社:東京/以下、アレク社)は、ハーツ社に対して貸付金6億円の返済を求めており、昨年12月5日には東京地裁による仮差押命令が下されている。アレク社の訴えによると、ハーツ社は6億円を主にアイランドシティ事業にともなう「事業保証金」に充てるとしていたが、アレク社の調査でその主張が虚偽であることがわかったという。

 取材に対してハーツ社はいっさいの対応を拒否したが、やずや側は「アイランドシティ事業に係る所は現在開業中の施設、及び建設中のホテルに関してH社(編集部註:ハーツ社のこと)の関与、関係性は一切ございません」と回答している。

 複数の金銭トラブルを抱え、いわくつきの人物として有名だった戸島氏をアイランドシティの開発事業者に指名した福岡市の判断は果たして妥当だったのか。17年12月連載の締めの文を再度掲載しておきたい。

 「計画通りに建設が進むか不透明で、もし完成したとしても売上不振で存続が危ぶまれるホテル。浚渫土で築かれた人工島の中心に、30億円の公金(立地交付金)を投入して建てられようとしているのは、そんな『疑惑の塔』だ」

【特別取材班】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年11月30日 17:46

【王毅外相の訪日】約9カ月ぶりの日中政府高官直接会談、習近平の国賓訪日はNEW!

 24日、中国の王毅国務委員(副首相級)兼外相が訪日し、茂木敏充外相との会談、翌25日に菅義偉首相への表敬訪問などを行った。2月に楊潔篪中国共産党政治局委員(外交担当...

2020年11月30日 17:34

1人ひとりが社会を動かすプレーヤーに 市民社会への変容が世界を変える(中)NEW!

 『ハチドリ電力は、電力の小売業者です。家庭やオフィス・工場などに、自然エネルギーを販売しています。先ほども触れましたが、現在、もっとも大きな社会的課題は地球温暖化。...

2020年11月30日 17:21

アメリカ大統領選挙後の世界秩序を模索する!(4)NEW!

 第3部の「グリーン・ニューディールの制度設計と日本の道」では、下記の3名の報告が行われた...

2020年11月30日 17:10

10月の東証システム障害で宮原社長が引責辞任NEW!

 日本取引所グループ(JPX)は本日、(株)東京証券取引所代表取締役社長・宮原幸一郎氏が本日付で辞任すると発表した...

2020年11月30日 17:06

【凡学一生のやさしい法律学】詭弁の論理学(3)NEW!

 この文言は橋下氏の発言を批判したものではないため、橋下氏は反論する立場にない。それにもかかわらず橋下氏は、この前川氏の表現を強く非難した。まるでテレビ局の弁護人であ...

2020年11月30日 16:48

オンワード、芝浦の倉庫を住友不動産へ78億円で売却

 オンワード樫山(東京都中央区)は、保有する「オンワード樫山芝浦第2ビル」を78億円で住友不動産(東京都新宿区)へ売却する...

2020年11月30日 16:35

九州有力通販 低迷からV字回復への道

 九州を代表する通販企業として知られる(株)エバーライフ。健康食品通販市場の黎明期に急成長したが、類似品や競争激化により失速。しばらく低迷が続いていたが、最近は化粧品...

激化するコロナ用ワクチンの開発レース 隠蔽された副作用のリスク(前)

 世界中で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が5,500万人を突破し、死者も130万人を超えたため、治療薬や予防用ワクチンへの期待は高まる一方だ。ワクチン...

2020年11月30日 16:07

500名を上回る新規患者が韓国で3日連続発生(前)

 11月24日に、韓国人にとって意外なニュースが発表された。ブルームバーグ通信による「コロナ時代、世界で最も安全・危険な国・地域-レジリエンスランキング」だ...

2020年11月30日 15:52

いい部屋ネット・住みたい街ランキング2020~福岡市が全国第1位!

 賃貸住宅建設大手の大東建託(株)は25日、「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング2020<全国版>」を同時に発表した。住みたい街(自治体)ランキング...

pagetop