未曽有の危機――事業者に寄り添い地域経済活動の再興に全力(前)
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大牟田商工会議所 会頭 板床 定男 氏
コロナと豪雨のダブルパンチ
――大牟田商工会議所の概要および事業活動についてお聞かせください。
板床 当会議所は1932年6月に創立した地域総合経済団体です。創立以来、大牟田市の産業および企業の発展とともに歩み続けてきました。現在の会員数は、2,374事業者(10月8日現在)です。
大牟田市は石炭産業とともに発達したまちであり、現在も他都市に比べて製造業が多いほか、それに付随して飲食をはじめとした商業・サービス業が発達してきました。市の中心市街地エリアには、それら商業・サービス業はもちろん、金融機関やオフィスなどが集中しています。しかし、近年は人口減少などの要因による経済の疲弊により、中心市街地の賑わいが失われつつあり、その活性化が喫緊の課題となっています。
そうしたなか当会議所では、中期行動計画に基づいた今年度事業として、事業者のBCP(事業継続計画)策定支援や創業・人材育成のための起業塾の実施などによる「中小・小規模企業の活力強化」、プレミアム付き商品券発行事業や中心市街地活性化事業などによる「地域資源を活かした産業の振興と個性あるまちづくりの推進」、そして会議所活動の充実や経営サポート体制の整備などによる「大牟田商工会議所組織基盤の強化」の3つの柱を軸とした事業を実施しています。
――今年はコロナ禍で、市内の事業者にも影響が出ています。
板床 3月上旬に市内の中小・小規模事業者に対して、経営に関する緊急アンケートを実施しました。やはり急激な売上減少などを含め、その影響は飲食ほかあらゆる業種におよんでおり、なかには事業存続の危機に直面している企業も少なくないという結果でした。
そのなかでも飲食業へのダメージが深刻でしたので、当会議所ではテイクアウトやデリバリーに取り組む飲食店の販売支援サイト「#おおむた家メシ」の開設・運営や、来店促進や資金繰り支援などを目的としたクラウドファンディング「OMUTA#みらい飯」などを早期から行っています。また、コロナ対策のための経営相談窓口を設置するほか、補助金の活用支援などにも全力で取り組んでいるところです。
――「令和2年7月豪雨」で被災した事業者への支援などは。
板床 発生当初はまず被災状況の把握に努めるとともに、大牟田市長や市議会議長はもちろん、福岡県知事や福岡県議会議長、さらには被災地視察に来られた梶山弘志経済産業大臣などに、復興に向けての早急な支援施策のお願いをしております。その後は、「なりわい再建支援補助金」と「被災小規模事業者再建事業」という2つの補助施策をつくっていただきましたので、今はそれに基づいて個別の相談を受け付けているところです。
今回の豪雨災害は、コロナ禍に加えてのダブルパンチでしたので、事業継続をあきらめかけている事業者の方も非常に多くいました。商工会議所ではそういった方々にしっかりと寄り添いながら、行政や各団体との連携を密にして、中小・小規模事業者への支援と地域経済活動の再興に向けて、全力を挙げて取り組んでいきます。
(つづく)
【坂田 憲治】
<プロフィール>
板床 定男(いたどこ・さだお)
1937年6月、長崎県口之津町(現・南島原市)出身。祐徳近海汽船(株)・取締役会長や壽海運(株)・代表取締役社長などを務める。大牟田商工会議所では副会頭を経て、2004年11月に会頭に就任。現在、6期目。関連記事
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