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2021年03月07日 07:00

家族的な風土で社員の信頼関係を高め さらなる組織力強化を図る 九州・福岡の壮健企業100社 

FFFホールディングス(株)

社長就任以来 社員の労働環境の改善に注力

 少子化に歯止めがかからないなか、政府は「働き方改革」を掲げ、IT活用による生産性の向上や労働環境の改善を促進。こうした取り組みによって離職率の低下と人材が確保できる組織への転換を促している。企業は、受け入れた人材のスキルアップをサポートするとともに、組織のなかで身に付けた力を長く発揮できる風土をいかにつくるかが重要なテーマになるだろう。

 住宅設備機器卸販売および施工などを手がけるFFF(スリーエフ)ホールディングス(株)(旧・(株)冨治商会)は、今年創立70年を迎えた老舗企業だ。3代目代表を務める中村克久氏は、代表に就任した17年前から、社員が有給休暇を消化しやすい環境を整え、さらに、リフレッシュ休暇制度の導入や長期休暇の取得を奨励する仕組みづくりに注力してきた。政府の「働き方改革」が始まる17年も前に、すでに同社は改革に着手して独自の仕組みを運用してきた。

 「今の若い世代は、収入だけでなく自分の時間や休暇をかなり大切にします。それに応えられる会社に良い人材が集まってくると信じ、取り組んできました。有給の消化率はかなり上がってきましたし、労働環境も改善しています」と中村氏は改革に手応えを感じている。

 新型コロナウイルスの影響で、毎年参加していた合同説明会の多くが中止となった。そこで、来年度の採用については、映像制作会社に依頼して自社の紹介動画を制作しネットでの採用活動にシフトした。その結果、昨年度以上の応募があったという。

人材を『人財』へと高める「人財戦略本部」を設置

人財戦略本部スタッフによる打ち合わせ風景

 こうした取り組みを支えているのが、昨年10月に立ち上げた「人財戦略本部」だ。採用から人材育成など、人事に関するすべてを一元的に管轄する専門部隊として総務部から独立させた。採用した人材のスキルアップを図り、全体としての生産性を向上させるために、これまで以上に研修など教育に力を入れる。入社後とその後の定期的なフォロー研修をはじめ、中堅社員のためのコミュニケーション研修、管理職前研修など階層別にもテーマを設け、体系的な研修プログラムをつくって実施している。

 中村氏は、「外部の研修機関の活用も含めて改善を重ねているが、当社独自の理念や考え方を伝えるため、私や各役員クラスの人間も講師を務めています」と人材育成にかける熱意を語る。

 中村氏が目指すのは、従業員が生き生きと働ける環境整備と仕組みをつくり、家族的な絆で強いつながりをつくる風土の醸成だといえる。同社は2020年4月からホールディングス制に移行した。FFFホールディングスが、冨治商会、TOTO水彩プラザふじ(株)、(株)姉川商会、大牟田バルブ(株)の4社を統括する。これは、意思決定の迅速化と事業シナジーの最大化、ガバナンスの強化を目的としたもので、従業員にとっても、より透明性が高く、風通しの良い組織としてこれからの時代を切り拓くためもの取り組みである。

 従業員への思いは、FFFの名称にも表れている。FFFは、冨治商会(Fuji)、永遠(Forever)、家族(Family)の頭文字で、理念に掲げる「Forever Fuji Family」には、「企業の永続性を追求しながら社内におけるコミュニケーションの家族的な風土を大切にしつつ、人に、暮らしに社会に『誠心誠意』の心をもって貢献し続ける企業グループでありたい」という思いを込めている。

IT活用でさらに効率化を追求

 こうした家族的で強固な信頼関係で結ばれた組織風土があるからこそ、戦略や戦術の実効性は高まる。家族的な風土と独自の教育システムで組織力強化の取り組みが効果を上げきた同社は、今回のコロナの問題を機にリモートワークの導入やIT化への取り組みを強化した。

 たとえば、営業現場でのITの活用だ。現場で問題などが発生すると、原因の確認と対応策の検討、資材や商品の選定、工事など、その都度、社員が現地に駆け付けていた。しかし、スマホで現場の画像や動画を共有することで、遠隔地であっても問題を把握して対策を立てることができるため、一度の訪問や場合によってはオンラインでの対応で問題が解決できるようになった。こうした効率化は生産性向上にもつながる。また、現場など訪問先にモバイル端末を持参し、動画やVRなどを駆使したさまざまな提案も可能になることから、IT化には積極的に投資する考えだ。

 コロナ感染の収束が見えない状況下で、住宅関連業界でも次の戦略を模索する動きが始まっている。中村氏は、「ウィズコロナにおいて、今後需要が高まるのは、温度と湿度を調整しながら換気ができるシステム」だと考える。湿度をコントロールすることで、エアコンの温度を1、2度高く設定しても同じ快適さが得られる。また、感染防止のために、飲食店や美容室、フィットネスジムなど人が集まる空間では、適切に換気をすることが求められる。だからといって、頻繁に窓を開けると暑い、あるいは寒い空気が入ってきて快適さを保てない。そのため、今後は部屋の温度を変えずに空気だけ入れ替えるという調湿機能を備えたエアコンの採用が進み、市場も広がるとみている。

新社屋(完成イメージ)

 現在、福岡市中央区赤坂1丁目の旧本社ビル跡地に10階建ての新本社ビルを建設しているが、本部とショールーム「TOTO水彩プラザ」が入る2階部分には、調湿を同時に行うダイキンの換気システムを導入する。コロナ対策に有効な換気システムとしてアピールし、需要を掘り起こしていく。

 従業員を大事にし、家族的な信頼関係を醸成する風土ができれば、企業が掲げる共通目標を達成する強い力となる。ホールディングス制に移行した今後は、なおさらこの企業風土がグループの発展を支える礎となるだろう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:中村 克久
所在地:福岡市中央区薬院1-13-8九電不動産ビル5F
設 立:1951年11月
資本金:9,200万円
TEL:092-712-0113
URL:https://www.fff-hd.co.jp


<プロフィール>
中村 克久
(なかむら かつひさ)
1966年福岡市生まれ。法政大学法学部出身。東京での商社勤務を経て、96年に(株)冨治商会に入社。2003年11月、代表取締役に就任。趣味は映画鑑賞とゴルフ。

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