2024年03月29日( 金 )

代理戦争の山口宇部市長選~林派の篠崎圭二元県議が初当選

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 宇部市長選挙は久保田后子前市長の辞任により、15日告示され22日が投開票日となった。市選挙管理委員会によると、当日有権者数は13万7,036人(男6万4,435人、女7万2,601人)。

 市長選に立候補者したのは【表1】の通り、篠崎圭二元県議会議員と望月知子元宇部市職員の新人同士の一騎打ちとなった。

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~選挙結果~
◆選挙戦では新型コロナの対策や経済支援策などを訴えた自民・公明が推薦する篠崎元県議が幅広く支持を集めて初当選をはたした。確定投票率は44.32%で、選挙戦となった前々回の7年前の投票率を3.04ポイント下回った。 

【宇部市長】
<篠崎 圭二氏>
得票数:33,648票(当選)
無新

<望月 知子氏>
得票数:26,681票
無新

◆篠崎氏の勝因は、自民、公明両党に加え県内最大の労働団体、連合山口(日本(労組)総連合会 山口県連合会)などの推薦を受けて組織票を固めたこと、また篠崎氏が7年間公設秘書を務めた林芳正参院議員も応援に駆け付け全面支援するなど、着実に支持を広げたことによる。
 一方、望月知子氏の支援者は、現職で二階派の河村建夫衆議院議員(78)の主な支持者が、前市長の路線継承を訴える望月氏の支援に回ったが、自民県連が篠崎氏を推薦したため、河村議員自身は表立って望月氏を後押しできず、複雑な立場だったようだ。
◆篠崎宇部新市長は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいる地域経済の活性化や、前市長が市街地活性化のために掲げた旧「山口井筒屋」宇部店の跡地利用の計画が暗礁に乗り上げていることなど、懸案事項を早急に処理することが求められている。

~次期衆院選で3区へのくら替えを確実にした林芳正参議院議員~
 表2を見ていただきたい。山口県が公表している人口移動調査(2020年10月1日現在)である。

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◆衆院山口3区では、宇部市の人口が一番多く16万3,178人(男7万8,384人/女8万4,794人)。
・次は山陽小野田市で6万0,061人(男2万8,617人/女3万1,444人)。
・萩市は4万4,438人(男2万0,447人/女2万3,991人)。
・美祢市は2万3,408人(男1万0,936人/女1万2,472人)。
・阿武郡は3,053人(男1,382人/女1,671人)。
・合計人口は29万4,138人(男13万9,766人/女15万4,372人)となっている。ただし、山口市(旧・阿東町)は含まれていない。

<まとめ>
 山口県の衆議院選挙第3区のうち、萩市の藤道健二市長、篠田洋司美祢市長は林派である。今回の宇部市長選挙も林議員の全面支援を受けて、篠崎圭二元県議が初当選。林芳正参議院議員は次期衆院選への鞍替えを確実にしたようだ。

 筆者は2000年代初頭の山口銀行宇部支店長時代に、河村建夫議員や久保田后子前宇部市長(当時は県議)に懇意にしてもらったことを懐かしく思い出す。また、林芳正参議院議員も高校の後輩であり、下関にいたころは選挙事務所に駆け付け応援したことも今は昔となった。そろそろ、老兵は潔く去り、若者に道を譲るべき時がきているのではないだろうか。

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【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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