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2021年01月08日 15:52

【IR福岡誘致特別連載18】九大箱崎跡地再開発は「国際金融センター新設」のチャンス

 福岡市は先日、九州大学箱崎キャンパス跡地を利用する、新たな都市再開発計画「FUKUOKA Smart EAST」を発表した。本年の春頃には、同計画の競争入札が開始される予定である。

 西日本新聞などの各メディアは、住友商事を中心に、福岡の7社会の九州電力、JR九州、西日本鉄道、西部ガスなどが提携して、今後の5Gで通信する社会を見据えた「スマートシティ」構想に参画したと一斉に報道した。今後、この動きはトヨタ自動車グループなどが富士山の裾野に建設する「ウーブン・シティ」構想などの競争入札に発展する可能性もある筆者はみる。

 政府は7日、新型コロナウイルス感染者数が再び拡大するなか、遅きに失した感はあるが、緊急事態宣言を発出して、国民全員にさらなる行動の自粛を要請し、小出しの給付金と罰則を援用することで飲食業などの営業規制を強化した。しかし、その効果のほどは甚だ疑問である。

 加えて、竹中平蔵氏は、この状況に対応できず倒産、廃業する事業者が規模の大小にかかわらず、今年度末には膨大な数に上るという。持続化給付金や無利子・無担保融資を利用して今までようやく事業を継続してきた事業者の破綻が、ここにきて一挙に増加するだろうと指摘している。

 筆者も、竹中氏の考えに同感している。なぜなら、各事業者は限度額の上限まで借り入れているのが現状だ。無利子・無担保融資を行って政府が補償しても、代理で貸し出しをしている金融機関は先々の不良債権が増えるばかりであり、コロナ禍での追加融資はそう簡単ではない。取引銀行が企業の将来を見きわめる「目利き」の能力がとても重要であり、助ける者と、そうではない者の選択が迫られると竹中氏はいう。その通りであろう。

 IR誘致開発と九大箱崎跡地を利用したスマートシティ開発に話を戻そう。はたして、現在の金融機関に、前述した「目利き」の能力があるのかというと、筆者も竹中氏と同様にこれにも疑問を感じる。

 IR事業者は巨額の資金を取り扱い、多目的な投融資を行う国際的な金融事業者だ。もし、IR福岡誘致開発を実現するなら、これはまさに、国際金融事業者の誘致といえる。IR事業者はよくいわれる賭博専門の企業ではなく、ギャンブル依存症を理由としたIR誘致の反対は時代錯誤も甚だしいことを繰り返し説明してきた。

 IRを開発・運営する母体となる事業者が取り扱う流動資金は、イニシャルコストで約4,000億円、毎年の売上で約3,500億円となり、巨額の資金の流れが発生する。ちなみに、福岡銀行グループの年間売上である約2,800億円や、西日本シティ銀行グループの年間売上である約1,500億円と比較すると、その流動資金が巨額であることは一目瞭然だ。

 地元財界の7つの企業の中枢である両銀行は、このチャンスを逃すべきではない。今回、海外から参画するIR事業者(国際金融事業者)は、日米の国際金融投資銀行との提携が必須であり、両銀行は上記の巨額な資金の流れとともに、プロジェクトファイナンスにエクイティ参画、運転資金などを取り扱うことができる唯一のチャンスである。

 筆者は、地元金融機関がこれをチャンスとして、地元主導で九大箱崎跡地の利用開発において「国際金融センター新設」を企画すべきと推奨している。海の中道エリアに計画されているIR福岡の交通の拠点はJR九州、西鉄であり、福岡市営地下鉄ともつながっていることを踏まえると、現在新駅の建設計画が進む箱崎周辺は上記の3路線が乗り入れており、この開発の適地といえる。

 先日、福岡市行政は香港に代わる「国際金融都市構想」を積極的に打ち出しており、専門家が国際金融センター新設にむけて役目をはたすため、積極的に行動すべきである。

 前述した具体的な数値は、昨年8月に福岡市行政に提出した事前可能性調査(Feasibility Study Summary)から抜粋した数値であり、IR福岡誘致開発事業を促進する福岡JCを含む組織関係者から聴取したものである。

 それゆえ、地元財界は迅速に彼らと接触して、相互協力をすべきと考えられる。コロナ収束後の経済再生、雇用創出に向けて、IR福岡誘致開発は魅力的な案件である。産学官組織「Team Fukuoka(チーム福岡)」ならびに金融機関による「目利き」は、竹中氏がいうように今後はすべての企業にとって非常に重要だ。各組織人は、コロナ収束後を考慮して恐れずに行動してほしい。

【青木 義彦】

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