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2021年01月13日 11:42

【IR福岡誘致特別連載19】緊急事態宣言の公務員給与と格差社会へのIR誘致

 福岡県が「緊急事態宣言」の対象として政府から指定を受け、現状でもすでに大きな打撃を受けている市街地の飲食店をコロナ禍が直撃し、数多くの飲食店が危機的な状況に直面している。前回も述べたように、竹中平蔵氏は、ほとんどの中小業者が限度額の上限まで借り入れをして凌いでいた資金が底をつき、力尽きて、今年度末の3月には廃業・閉鎖に追い込まれるだろうとすでに予見している。誠に正しい判断である。

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 筆者の周りでも、コロナ禍で昔からの馴染みであった多くの飲食店がすでに廃業、閉鎖している。これは読者も同様であろう。政府からの一時的な補償である飲食店向けの給付金(個人事業主は20万円、中小企業は40万円)の申請は3月で、その後、順次支払いを予定しているという。さらに、都道府県から要請を受けて時短営業に協力した飲食店には、別途1日あたり一律6万円(東京都では最大で月間186万円)の協力金が支払われる。しかし、その給付金の支払い時期もいまだに決まっておらず、あまりにも世間の実情を理解していない対応である。

 新型コロナウイルスの新規感染者数の増加を止めることは、危機的な状況にある医療機関にとって必須の課題である。一方で、小規模事業者以外のほとんどの事業者にとって給付金や協力金は「雀の涙」であり、この支援の効果は乏しく、すべての飲食店の事業主を追い込んでいる。人の痛みが理解できない役人と政治家の醜態がさらされているが、この制度を生んだ考え方の根源には、日本の官僚制度があるのだ。

 地方公務員の給与水準は、東京都では約750万円(41才)、福岡県では約680万円(45才)であり、民間企業の給与水準は男女平均440万円(46才)、男性では約540万円、女性では約300万円である。これらは福岡市を含む、全国市町村でほぼ変わりはない。多くのマスコミは報道しないが、地方公務員と民間企業の同世代の年収では300万円の大きな差が出ており、明らかな格差社会となっている。

 先日、3,000万円の緊急融資をすでに上限まで受けている東京都内の老舗焼鳥屋オーナーが、政治家と官僚に対して、毎年欠かさず税金を納めている飲食店がなぜ廃業、閉鎖の危機に追い込まれるのかと必死に訴えていた。「あなた方は、親方日の丸で自身のこととして理解していない」と強い悲壮感をもって主張していた。政府は昨年末も、世間の状況を顧みずボーナスを支給しており、「失われた20年」に行われた政策を振り返っても、老舗焼鳥屋オーナーの発言はまっとうである。

 民間企業と公務員の一般的な年収の差である300万円は、日本の25%を占める低所得者層の所得と同じ額であり、深刻な格差社会である。このコロナ禍で日々生命の危機にさらされている看護師も、そのほとんどがこの層である。この現実に対して、もっと抗議すべきではないか。警察官、自衛官、一部の国家公務員を除く、全国市町村の公務員給与も同様にバブル期から続く既得権の存続を停止すべきだ。コロナ禍での財政出動について、財務省や各市町村の行政、政治家までも緊急事態宣言下での各種給付金を渋っているのは、このことが原因だ。彼ら自身は影響を受けることなく、公務員給与とボーナスにいまだに手を付けられていない。

 コロナ禍は、世界的に著名な経済学者がいう「間違えた資本論」、格差社会のさらなる拡大に歯止めをかける良いチャンスだ。この環境下で、株価はバブル期以来の超高値であり、辻褄が合わない。所得が安定している公務員にまで給付金を一律に支給し、銀行預金も増加の一途をたどっている。飲食店も一般国民も預金をするどころか明日が見えないなか、官僚国家と政府の仕組みを変える良い時期だ。

 IRの誘致・開発は、世界の富裕層からお金を集め、一般人に分配できるすばらしい仕組みをもつエンターテイメントビジネスだ。IR福岡を誘致・開発できれば、毎年3,500億円以上が地元に流れ、その年間税収は約700億円前後となる予定だ。さらに、約2万人の新たな雇用を創出し、苦境にある人々の雇用を生み出すことができる。ギャンブル依存症などを懸念してIR福岡の誘致・開発に反対する人々は、低所得者層ではなく十分な所得がある階層であり、社会の現実を見てほしい。この事業の誘致・開発は、前途のある若い人々にとってすばらしいチャンスとなる。

 政治家、官僚は、社会の格差を真剣に考慮し、自身のリスクのみに囚われず、勇気をもち大局的にものごとを捉えて、積極的に行動すべきだ。これを機に社会を変えることができなければ、この先も永久に変えるチャンスはないだろう。このままでは、格差社会はますます広がり、富める者は富み、貧しい者はさらに貧しくなる。全員で一丸となり、今を乗り切って行こう。IR福岡の誘致・開発は、コロナ禍の収束後に実現できるすばらしい「夢の案件」だ。我々の郷土である福岡が、もっとも「適材適所」となるプロジェクトだ。

【青木 義彦】

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