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2021年01月18日 12:04

【IR福岡誘致特別連載20】緊急事態宣言下の政府と官僚に、緊急事態を宣言する

緊急事態宣言発出から5日

 全国11都道府県に緊急事態宣言が発出されてから、早くも5日が経ち、全国のコロナ感染者の拡大が減るどころか、その数は「鰻登り」に増大する一途である。宣言下の東京都などの首都圏を筆頭に、いずれの大都市も人流は宣言前と変わらない。中小規模から大規模チェーンにいたるまで飲食店はこの“愚策"により、廃業・閉鎖の危機に追い込まれ、その関連企業に至るまで「瀕死」の状態となっている。

 さらに、各地の医療機関は、一部の偏ったマスコミ報道により、偏見をもたれており、「助かるはずの生命を助けないのか!」などと誹謗を受けている。

 経済学者の竹中平蔵氏や元大阪市長の橋下徹氏が指摘しているように、この状態が続くのであれば、今年度末の3月に多くの企業が廃業・倒産に追い込まれることは間違いないだろう。

コロナ禍で「戦時下」なのに、なぜ笑顔?

 筆者は、毎日のようにテレビで解説する政治家や官僚などの態度に極めて大きな違和感を覚えている。テレビでは通常、誰1人として「喜怒哀楽」を表情に出さず、冷静に淡々とコメントしているが、経済再生担当大臣の西村康稔氏などは時折、笑顔でこれらに対処している。現在は「戦時下」のような状況であり、笑顔など一切出せるはずはないのだ。

 東京をはじめとする全国のすべての都市が、コロナという「敵」から日々爆撃を受けている。多くの死傷者が出つづけており、感染者も満足な手当てを受けられず、助かるはずの生命も助けられないなか、時の参謀長やその組織の関係者はなぜ冷静に落ち着いていられるのか。筆者は、一切理解できないのである。

 普通の人の神経であれば、怒り、悲壮感、情熱などがほとばしり、その感情が全面に出て話の説得力が増し、人々はその人のいうことを聴くのである。極論をいえば、国民の誰もが今、政府のいうことを聴いていないのだ。彼らの感情が見えず、迫力のある対処ができていない。特権階級を意識して自らが「怪我」をしない限り、説得力は出ないだろう。

 コロナ禍の問題の根本には、すべてに共通する原因がある。これだけ国民が疲弊しているなか、政治家と官僚に対して必死に訴える東京都内の老舗焼鳥屋オーナーがいうように、政治家は“親方日の丸"であり、自らのリスクを取っていないことが最大の問題だ。若者がいうことを聴かないというが、派遣社員が増加して格差社会が広がるなか、政府や行政からの要請が届くはずはないのである。

 この政府の姿勢は、政治家や公務員への昨年末のボーナス全額支給に表れている。政治家は誰も傷つく可能性がないため、この場におよんでも迫力や情熱、説得力がない。首相を含めて、コロナ禍が収束するまですべての政治家と公務員の給与を半減すると宣言するほどの覚悟と迫力が必要だ。少しでも格差を是正してから、国民を説得すべきである。

行政はIR公開入札の受付締切を公言~それは今やるべきことか?

 コロナ禍で外国人観光客が訪日できないなか、長崎ハウステンボスへの誘致を見据えたIR長崎も、今月末には RFP(公開入札)の参加者の受付を締め切ると公言している。IR和歌山やIR横浜も、コロナ禍で同様なことが言われているが、これは今やるべきことではなく、タイミングを得ていない。政治家や行政は人の痛みを理解していないのだ。

 コロナ収束後の経済再生策はとても重要であるが、管轄する行政が今の時点で話すことではない。これも“親方日の丸"がなせる技で、「生きるか死ぬか」という状況である企業や国民がどのように受け止めるかということを、公務員や政治家はまったく考えていない。今こそ、政府や官僚が主導するこの国家を変えるチャンスだ。

 彼らの責務はコロナ禍で「戦時下」にある国民をいかに救い、死傷者、廃業・閉鎖をできるだけ出さないことが最優先だ。日本医師会の中川会長が「国会議員に範を示していただきたい。まず『隗(かい)より始めよ』です」と言っている。これは会食のみを率先して止めるのではなく、他人の痛みを実感するという意味であり、ここに根本的な原因があるのだ。

 また、この状態では、行政が先行するIR誘致開発などできるはずはない。それは火を見るより、明らかである。

 コロナ収束後の経済再生はIR福岡の誘致開発の民間組織に任せて、政治家、官僚などは所得を一時的に自ら返上してコロナ禍の収束まではそれを辞退し、各種給付金の速やかな支払い、ワクチン接種の迅速な実施など、すべてに優先順位をつけて最大限の対策を実行すべきである。

【青木 義彦】

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