2022年01月20日( 木 )
by データ・マックス

【コロナ下の流通業界特集(1)】スーパー激動の20年 DSとドラッグ攻勢で勢力図一変

 2001年、流通大再編時代到来の号砲になったマイカル、寿屋の経営破綻から19年。新型コロナウイルスの感染拡大が流通市場を揺さぶっている。巣ごもり消費の恩恵を受けた食品スーパーがバブル期以来の活況に湧いているのに対し、総合スーパーは外出自粛のあおりで客数の激減に苦しむ。だが、コロナはあくまで一過性。ポスト・コロナに備え、ドラッグストアやディスカウントストア、さらにはネット通販との競争に打ち勝つ商品力・営業力を強化することが突きつけられた課題だ。

スーパー、19年間で8%減

 21世紀に入って以降、高齢化と人口減で縮小をたどってきた総合スーパー(GMS)と食品スーパー(SM)。九州経済産業局の調べによると、九州・沖縄8県の年間販売額は2000年度の1兆1,172億円からほぼ一貫して右肩下がりで、19年度は1兆192億円と約8%減った。より深刻なのは百貨店で、2000年度の7,997億円から39.9%減の4,806億円に沈んだ。

 代わって台頭したのが、ディスカウントストア(DS)とドラッグストア、それに利便性が特徴のコンビニの新興3業態だ。DSとドラッグストアは長期不況下で低価格を売り物に可処分所得の落ち込んだ消費者の支持を集め、過去のスーパー台頭期に匹敵する高成長を遂げた。ドラッグストアの販売額は九州経産局が調査を始めた14年度に5,184億円だったが、19年度には6,938億円と5年間で約33.8%増えた。DSは経産局の統計に出てこない。

 業態間・企業間競争は激化の一途をたどる。スーパーでは小さくなるパイをめぐって生き残り競争が始まった。01年9月のマイカル・マイカル九州、11月岩田屋、12月の寿屋と相次いだ経営難は大再編時代の幕開けを告げるものだった。翌02年4月にはニコニコ堂が破綻、九州流通業界の勢力図は1年足らずで一変した。

 再編が本格化する03年9月、イオンは寿屋のSMを母体にマックスバリュ九州を設立、九州のSMを同社に集約して本格攻勢に乗り出した。今年9月イオン九州と合併した同社は年商1,850億円と、サンリブにつぐ九州2位に躍進を遂げた。

 05年1月、我が国で最初にセルフサービスを導入した名門・丸和が経営難に陥り、同じシジシー(CGC)グループの広島県のユアーズに支援を求める。そのユアーズは丸和が重荷になり業績が悪化、15年イズミの傘下に入る。

 イオンに比べSMで出遅れていたイズミはニコニコ堂から譲り受けた小型店を足がかりに12年から熊本県の西紅と広栄、15年にスーパー大栄と中堅中小スーパーを相次ぎ買収。九州ではGMSと合わせ年約2,600億円とコスモス薬品、トライアルカンパニーにつぐ第3位になった。

 少子高齢化でGMSの環境は厳しい。大型ショッピングモールの新設はイズミが07年11月「ゆめタウン別府」、イオンは12年4月「イオンモール福津」が最後。両社とも新たな成長の柱の育成を迫られている。

 中堅SMが持株会社の下に経営統合し、イオン、イズミやセブン&アイホールディング(HD)などの全国大手に対抗しようというのが、15年7月に旗揚げしたリテールパートナーズ。17年3月にはマルキョウが加わり事業会社3社体制となった。リテールは19年1月に北海道・東北地盤のアークス、中部のバローHDと株式を持ち合ったのを機に、広く全国の地方スーパーにも参加を呼びかけ“第3極”作りを目指す。

 コロナ禍で鳴かず飛ばずだったSMの業績は好転、再編の動きは遠のいたようにも見える。だが、過剰競争が解消されたわけではない。異業態との競争は続く。

(つづく)

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