黒ウコン由来ポリメトキシフラボノイドが長寿遺伝子を活性化
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東京大学大学院農学生命科学研究科の永田宏次教授らの研究グループは19日、試験管内の解析と細胞を用いた試験により、黒ウコンに含まれるフラボノイドの一種が長寿遺伝子(SIRT1遺伝子)を活性化させることを確認したと発表した。研究成果は学術誌『Communications Biology』に掲載された。
研究グループは試験管内の解析により、黒ウコン由来ポリメトキシフラボノイドがSIRT1遺伝子に与える影響を調べた。その結果、ポリメトキシフラボノイドはレスベラトロール(赤ワインに含まれるポリフェノール)よりも顕著に、SIRT1遺伝子を活性化させることを確認。
また、ヒト由来培養細胞を用いた試験では、細胞外に添加したポリメトキシフラボノイドやレスベラトロールが、細胞内のSIRT1遺伝子を活性化するかどうかを調べた。試験の結果、ポリメトキシフラボノイドはレスベラトロールよりも顕著に、細胞内のSIRT1遺伝子を活性させたという。
研究グループは、ポリメトキシフラボノイドが細胞膜を透過し、細胞内のSIRT1遺伝子に直接作用すると考察。今回の研究成果は、食品に含まれる植物由来のポリフェノールが、ヒトの細胞内にあるSIRT1遺伝子に影響することを示唆するものとしている。
SIRT1遺伝子は飢餓やカロリー制限によって活性化され、細胞修復、エネルギー生産などに影響を与える。これまでの研究により、線虫やショウジョウバエで寿命の延長効果が報告されている。
【木村 祐作】
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