2024年03月30日( 土 )

無理のない経営戦略、顧客の立場で 物事を考える柔軟性を兼ね備えた企業

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(株)タイヘイ

「お客様本位」であることを原点に 顧客を本当に満足させる住まいを提供

 (株)タイヘイの販売力の源泉は社員だという。たとえば、誰もが認める人柄の良さは、マンション販売において大きな強みだ。いうまでもないがマンションや住宅は、顧客にとって一生に一度の買い物だ。人柄に勝るベテランたちが相手をしてくれることは、何よりも安心感につながるだろう。彼らの物腰柔らかい丁寧な対応と説得力のあるアドバイス。これがあれば、誰しも自然体で向き合うことになる。

 どうやらそうした社員たちの気質が育まれている理由は、同社の長く勤められる居心地のよさにあるようだ。どんなに良い人材が入社してきても、続かなければ無に等しい。高い職場定着率は、経験豊かな社員を育てる一番の条件なのだ。

サンライフ企救丘駅南
サンライフ企救丘駅南

 タイヘイのスタートは1964年に遡る。貸家および建築工事を事業とした伊藤組が始まりだ。69年にはたいへい不動産管理(株)として法人化し、77年からスタートしたマンション事業では、自社オリジナルの分譲マンション「サンライフ」シリーズが顧客から高い評価を得たことで、供給実績で170棟・1万1000戸を誇るブランドに成長した。

 そして80年にはグループ会社の泰平建設(株)を設立し、88年には現在のタイヘイに社名を変更。94年には福岡支店を開設して、「サングレート」シリーズの販売を開始した。分譲マンションの「サンライフ」「サングレート」、注文住宅用地・建売住宅の「サンタウン」シリーズを提供するほか、数多くの賃貸マンションやテナント物件を手がけてきた歴史をもつ。

 同社が手がけるマンションの魅力は、そこに新しいライフステージの提案があることだ。また、賃貸物件は、そのたしかなつくりが顧客を惹きつけて止まない。しっかりとした不動産は安定した賃料収入が見込め、収益性が高いからだ。

 分譲マンションは「お客様本位であることが私たちの原点」を旗印に、注文住宅のような満足感を提供したいという。同社が謳う「オンリー・ワン・プラス」は、そこに住まう人々の生活スタイルに合わせ、さまざまにカスタマイズすることを指す。実際、「分譲マンションなのにここまで自由に設計できるのか」と、多くの顧客が驚くそうだ。

サンライフ戸畑センターステージI

無理のない経営戦略、そして顧客の立場で物事を考える柔軟性

 同社の経営の特色は、時流に流されることなく堅実な財務内容を築き上げていることにある。無理のない経営戦略、そして顧客の立場で物事を考える柔軟性。北九州でトップクラスのマンションメーカーになったのは、この2つを併せもっているからにほかならない。また、それが56年の長きにわたって続いてきた理由だ。

 設計施工の現場では、安心と快適性を追求するため、設計の段階から地質調査と構造図面チェックを入念に行い、細心の注意を払うという。施工では、耐震基準を十分にクリアする強度を確保するため地中梁配筋検査や各階梁・柱・スラブ配筋検査、スランプ・空気量検査などを行い、これでもかというほど徹底した管理監督を行う。

 もちろん、竣工・完成し、販売した後のアフターサービスも信頼を得るために不可欠だ。適切な管理なくして快適な生活は送れない。また、将来の修繕計画が堅牢でなければ安心できない。そうした声に応えるべく、独自のアフターフォローを行っているという同社。建物竣工1年目、2年目に定期検査を実施するほか、マンション運営のノウハウをもつ専門スタッフが無駄のない長期修繕計画を立てて提案していく。セキュリティーサービスの実務においては、実績ある管理会社を置くことで日々の安心が約束される。

 最初の商談からセキュリティーに至るまで、あらゆる場面において温かみのある企業姿勢で接していることが、顧客に安心感と信頼感を与えているのだ。

すべての社員がまるで家族のように、互いの表情が読みとれるほど良い規模

タイヘイ インテリジェントライフ ギャラリー
タイヘイ インテリジェントライフ ギャラリー

 冒頭でベテラン社員たちの存在についてふれたが、そんな頼りになる人材が一朝一夕に育つことはない。社員教育では、常に自分がされたら喜ぶことを教え伝えることで、心豊かな人間性を育むことに努めているという。先輩社員が新人と接していくなかで、時間をかけて伝えていく。そして付け焼き刃では真似のできない独自の伝統や社風といったものになる。

 タイヘイは決して大きな会社ではない。すべての社員が家族のように互いの表情が読みとれる程良い規模だ。社員同士のコミュニケーションが、常に円滑に行われていることも同社の魅力の1つだろう。

 年に一度の社員旅行では、下請などの取引先も一緒だという。さすがに昨年はコロナ禍のために海外へ出ることはできなかったが、「いつか、きっと」と再開を楽しみにしている。

 まずは社員が相互に絆を深め、そうして培った柔軟で豊かな心、団結力をもって顧客と向き合う。さらに充実した福利厚生が、社員たちをまとめることに一役買っていることも想像に難くない。

 経営陣が理想として掲げるのは「この会社に入って良かった」と、すべての社員たちが思えることだという。人と人とのコミュニケーションが希薄になっているという今日、同社のような存在はとても貴重だ。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:伊藤 俊樹
所在地:北九州市小倉北区片野4-20-3泰平ビル3F
設 立:1969年5月  
資本金:4,900万円
TEL:093-931-6626
URL:http://www.web-taihei.co.jp


<プロフィール>
伊藤 俊樹
(いとう としき)
1947年12月、北九州市小倉南区生まれ。70年、泰平建設(株)(現・(株)タイヘイ)に入社。98年5月、代表取締役社長に就任。趣味はゴルフ、釣り。

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