2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

自社保有重機と高い提案力で 成長を遂げる、地盤のコンサル集団

(株)ワイテック

土木分野の専門家として顧客のあらゆるニーズに対応

19年2月に開設した大濠オフィス

 多くの業務が分業化されている建設業界。そのなかでも重機を自社で保有し、多数の工法をもち、資材を扱うなど、総合的に工事を手がけることができる企業は少ない。地盤建設分野の総合商社として確固たるポジションを確立しているのが、福岡市博多区博多駅南に本社を構える(株)ワイテックだ。

 福岡の建設業者をあらゆる角度からサポートすることで信頼を得ることで、業界のなかでは後発ながら順調に業績を積み重ね、近年は右肩上がりの売上高を記録。直近の2020年1月期には売上高約41億円を計上している。

 同社の創業は1994年4月。代表取締役社長・行武志郎氏の父である琢雄氏が経営する行武通信建設(株)の関連会社として、(有)ユクタケの名で設立された。その後は、95年に(有)ワイテェックに社名変更、2007年に(株)ワイテックに商号変更した。13年3月には博多区博多駅南に自社ビルBlanc・Style博多を完成させ、本社を移転。16年7月には太宰府ヤード、18年4月には沖縄営業所、19年2月には大濠オフィスを開設し、事業拡大を続けている。

 現在は、掘削工事で必要となる重仮設(山留)、地盤改良に必要な特殊工法や特殊機械の提供、各種杭工事を行う特建事業を柱に、土木・不動産・重機事業を展開。土木分野に関わるすべてをワンストップ型で提供している。取引先からしてみれば、地盤施工分野のデパートのような存在であり、どんな相談にも柔軟に応えられるため、信頼も厚い。施工実績としては、小・中学校、高校、大学、病院、公共施設、マンション、住宅、オフィスビル、ホテルなど、幅広い建物が挙げられる。多くの地場建設会社を取引先にもつ同社では規模の大小を問わず、年間600〜700件もの案件をこなしている。

最新工法の連続壁土留(コラム壁)

 同社の強みとしてとくにあげられるのが、地盤改良を生かした山留工事の企画提案だ。とくに同社が開発した連続壁土留(コラム壁)での工法は、目的に応じてさまざまな工法や材料を選定でき、砂質土や粘性土など多様な土質に適用できる。止水性にも優れており、施工機の大きさを選択することで、狭小地から盤入路まで敷地条件に合わせて対応できるため、多くの大手ゼネコンなどでも採用されている。

 また、各グループ会社および関連会社で多くの重機や機材を保有しているため、抜群の機動力を誇る。顧客のニーズに対応できるよう常に最新の重機をそろえ、若手作業員の教育にも積極的に取り組んでいるのだ。

若手の起用は最重要課題 人材強化でさらなる成長を

新卒第一期生の入社式

 建設業界の人手不足が懸念されるなか、人材の確保と育成に力を入れていきたいという行武社長の考えから、同社では初めて新卒採用を決定した。「当社では現場での即戦力を求めるため、中途採用に頼っていた部分があり、気付けば中間層が抜けている状態でした。人材のバランスを考えるとやはり若手の力が必要だいうことに気付き、20年4月に初めて新卒を採用しました。フレッシュなメンバーのおかげで、職場の雰囲気は活気付いています」(行武社長)。

 昨年から新たに総務課を立ち上げ、人材育成方法や評価制度なども含め、改めて組織強化に取り組んでいる。新卒者の育成について聞いてみると、「知識を詰め込んですぐに現場に送り出すことはしたくありませんので、時間をかけてじっくりと育てていきたいと思います。専門用語なども多い業界ですので、まずは基礎知識を学んでもらい、1人ひとりに育成担当の先輩社員をつけて現場で雰囲気や工程管理などを経験してもらいます。同時に、新卒の4名にはローテーションで現場作業も体験してもらい、汗を流してもらっています。知識や管理も大事ですが、現場作業員の気持ちを実際に経験してもらわないことには、良い仕事はできないと考えているからです。最初はきついかもしれませんが、きっと彼らの今後に役立つでしょう。また、コロナ禍の最中に入社した新入社員たちには月に1度、入社してからの心境をレポートとして提出させています。入社当初の『不安』や『緊張』が、日を追うごとに『楽しさ』や『やりがい』に変わっていくのがわかります。そういった部分が教える側のやる気にもつながり、相乗効果を生んでいると思います」と、行武社長は熱く語る。

人材育成への投資に目を向け個々のスキルアップを図る

 21年度もすでに1名の技術設計者が決まっており、新たな新卒を受け入れる準備もできている。「今後も定期的に新卒を採用することで、中堅社員たちが次のステップに進めるようにしていきたいと思います。新人を育てる過程でマネージメント能力を養わせることで、自立と成長を促せればと考えています」(行武社長)。新人を育てることは、すなわち自分のライバルをつくること。中堅社員たちもそれを肌で感じ取っているからこそ、行動も言動も変わってきているのだという。

 また、同グループの(株)エステックでは、20年1月からベトナム人技能実習生3名の受け入れを実施している。「彼らの仕事に対する姿勢や、技術を習得したいという熱意はすばらしいです。すごく真面目で貪欲な姿勢は、きっとエステックのみならず、グループ社員にも良い刺激を与え、モチベーションアップにつながっていると思います」(行武社長)。同グループ内では互いに切磋琢磨する土壌ができ上がっている。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:行武 志郎
所在地:福岡市博多区博多駅南2-2-7Blanc・Style博多2F
設 立:1994年4月
資本金:1,000万円
TEL:092-292-1516
URL:http://www.y-tech.biz


<プロフィール>
行武 志郎
(ゆくたけ しろう)
学卒後、父が経営する行武通信建設(株)(現・(株)ユクタケ)に入社。現場経験を積み、1994年にグループ企業である(有)ユクタケ(現・(株)ワイテック)を設立、代表取締役社長に就任。

関連記事