2024年05月14日( 火 )

(続報)住友林業~自作自演で墓穴を掘る~契約解除へ!(1)

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 Net IB Newsでは、東京都内在住のA氏の住宅建設に関する問題「住友林業、見積書の詳細を開示せず不誠実な契約」で発信したが、今回は、住友林業の自作自演により、A氏からの契約解除に至った顛末を紹介する。

 2017年の土地購入以降、A氏は、住宅建設の計画から設計・施工までを住友林業に依頼し、19年3月に建築工事請負契約を締結した。A氏は、契約金額や内容への理解が十分ではなかったものの、営業担当者のX氏とは一定の信頼関係があったため、話は順調に進んでいた。

 契約締結後、20年11月から解体工事が始まった矢先に、クリスマスの日にX氏が急逝したことから歯車が狂い始めた。住友林業は後任の営業担当者を指名しないばかりか、これまで一度も挨拶にすら来なかった支店長ら幹部が対応し、X氏との約束を全否定する有り様であった。

 その1つは、X氏との「解体工事費は他社よりも高いですが、地中で予期せぬものが出てきても追加請求することはありません」という約束について、同社支店長が「Xがそんなことをいうはずがありません」と否定したことである。その支店長の横柄な態度にA氏は辟易し、住友林業との信頼関係を急速に喪失した。

 住友林業から20年2月2日、「既存家屋(鉄筋コンクリート造)の解体工事中に地中部分に新たな構築物が発見されました」と連絡が入ったため、A氏は2月5日、現場確認に立ち会い、「新たな構築物」の説明を受けた。その後、住友林業幹部から2月7日にメールがあり、以下の内容を告げられた。

・解体工事見積書に計上していない工事費用は別途清算になる。
・このたびの地下解体(新たな構築物)は見積りに含まれていない。
・追加見積り金額は1,000万円を超える想定である。
・重大事項と認識し、今後は本社とも相談の上、支店長が対応する。

   後日、A氏は、住友林業の支店長に対し、「現場の事前調査を十分にせず、急に1,000万円を超える見積りを提示するとは何事ですか。そのため他社よりも高い金額で契約しています。故X氏は追加請求しないと言っていました。この事態の全責任は住友林業にあります」と抗議し、契約解除の意思を示唆した。

 2月13日には、住友林業から文書で以下の内容の通告があった。

・既存家屋の地下で図面に記載のないコンクリート構築物が存在している。
・事前の現地調査で地下の構築物を発見することは不可能であった。
・税抜きで、追加撤去費用130万円、地盤改良工事費用570万円かかる。
・追加費用分に関する覚書の調印が完了するまで、工事を中断する。

   さらに、「解体工事および地盤改良工事について」と題する、契約解除後の清算金の計算に関する書面が添付されていた(資料(A)参照)。

 その内容は、    

(1)解体工事について、工期内の経過工事日数で工事進捗度は80%の出来高    
(2)地盤改良工事は、未着工につき工事進捗度は0%の出来高
(3)契約約款に基づく計画図など作成費用として、請負額5億円の1.5%で750万円    
(4)設計料実費として、462万円(契約額134万円(税抜き)の3.5倍)
(5)2月2日発見の「図面不記載追加費用(新たな構築物)」として700万円

   2月7日のメールに記載されていた、「1,000万円超える」見積金額と比較すると、300万円値引きされていた。

資料(A)

 住友林業の不誠実な対応に憤慨したA氏は、親戚である都甲一級建築士兄弟に相談をした。前回の記事では、契約そのものに関する住友林業の不誠実な対応(高額すぎる・内訳明細を提示しないなど)について問題を提起したが、今回は、既存家屋の地中に存在する「新たな構築物?」について住友林業の不可解な行動を紹介する。

 都甲建築士兄弟は、どの範囲にどのような構築物があるのかを確認するため2月27日、現場の見分を行った(資料(B-1)、(B-2)参照)。

 住友林業からは「地下ピット」との説明を受けたが、見た目では、残った外壁部分の下に連続して位置する高さ約2m程度の地中梁という印象を受けた。地下ピットの床面付近は、解体したコンクリートのガラで埋め尽くされており、状況が確認できなかった。

資料(B-1)
資料(B-1)
資料(B-2)
資料(B-2)

(つづく)

【桑野 健介】

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