2024年05月14日( 火 )

(続報)住友林業~自作自演で墓穴を掘る~契約解除へ!(2)

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 Net IB Newsでは、東京都内在住のA氏の住宅建設に関する問題「住友林業、見積書の詳細を開示せず不誠実な契約」で発信したが、今回は、住友林業の自作自演により、A氏からの契約解除に至った顛末を紹介する。

 都甲建築士兄弟は、現場の見分後、A氏がもっていた資料を確認した。まず、「解体工事見積内訳」(資料(C)参照)を精査したところ、住友林業のいうところの「新たな構築物」の範囲は、「2.分別解体工事」欄に「地下室基礎以外、建物基礎解体:直接基礎・土間」との記載があり、「m2数×単価=金額○○円」と積算されていた。建物外壁に囲まれた部分であり、建物の基礎以外の何物でもないのである。

 ただし、都甲建築士兄弟による見分の際には、外壁部分下の地中梁のみを残して、内側の地中梁は解体されていたため、「地下ピット」のように見えた。よく見ると、外壁下部以外の内側の地中梁は解体されているため、住友林業が素人相手に追加費用を要求するために、意図してこのような状況を演出したとも考えられる。また、「解体工事見積内訳書」の日付は「平成29年6月21日」となっており、見積の時点で、解体業者は「地下室以外の建物基礎」を認識していたことになる。

資料(C)
資料(C)

 次に、解体建物の図面を確認したところ、構造図のなかに「F1,FG1,FS2・・・」といった記号が記された「基礎伏図」を確認できた(資料(D)参照)。

資料(D)

 この図面は「1階伏図」というタイトルになっているが、「F」はFootingの頭文字であり、建築技術者であれば、基礎部分を表す記号であることは当然に理解できるものである。

※(一社)日本建築構造技術者協会によれば、「F」はフーチング(基礎)の頭文字、「G」はGirderの頭文字、「S」はSlabの頭文字であり、FとG・Sの組み合わせで、FGは基礎梁(地中梁)、FSは基礎スラブを表す。

 下記は、都甲建築士が1階伏図を「F」「FG」「FS」などの部材別に色分けした図だ。

 都甲建築士兄弟により、この図面は住友林業に渡した解体建物図面一式にも含まれており、現場担当者は基礎伏図に色付けをして解体状況をチェックしていたことがわかった。現場担当者は、「新たな構築物」ではないことをわかっていたということだ。住友林業がいうところの「新たな構築物」は、内訳書に「地下室以外の建物基礎」として積算されており、図面でも確認できるものであった。追加費用など発生しないのである。

 筆者が推察するに、解体業者は見積内訳書に記載した「地下室以外の建物基礎」を現実よりも小規模なものと考えていたのではないだろうか。しかし、実際に解体工事を進めてみると、想像よりも規模が大きな構築物であったため、住友林業に泣きつき、「新たな構築物」として、A氏に追加工事費用を求めたものと考えられる。

 しかし、基礎関連の部材を示す「F1」「FG1」「FS2」などが基礎伏図(1階伏図)に記されており、現場担当者が色付けまで行っていたことから、見積りを間違えただけである。解体工事の見積りを間違ったのであれば、その旨を正直にA氏に相談すれば、今回のような騒動にならずに済んだはずである。

 しかし、住友林業の支店長は「図面にないものは積算のしようがないですから」と建築のプロである都甲建築士兄弟に向かって言い放っているため、現場担当者から支店長に報告されていなかったと考えられる。

 このように、素人のA氏相手に、追加工事費用を工事途中で不当に請求する行為は詐欺的行為と言わざるを得ない。A氏および都甲兄弟から、前述の確固たる証拠を突き付けられた住友林業は、今後、どのような釈明をするのだろうか。

 そもそも、住友林業は木造住宅専門の会社であり、木造関係以外の関連工事は協力業者に丸投げで下請させている。とくにコンクリート構造は不得手であり、解体工事も下請業者に積算からすべて任せ、自らは関与せず、現場管理のみ行なっている。

「新たな構築物」騒動も、恐らく下請からの報告を鵜吞みにして行動したのであろう。現場担当者は、基礎伏図に色付けしてチェックしており、気付いていても上司に報告していないか、あるいは組織的に「新たな構築物」を自作自演し、素人のA氏を騙して追加費用を上乗せしようとしたのか、どちらかであろう。                

(つづく)

【桑野 健介】

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