上場を経てM&Aテコに成長促進へ　アンサー倶楽部が見据える、次の20年（前）

北九州で創業21年、来期には上場へ

　――2000年6月に設立された御社は、昨年20周年を迎えられました。上場を目指しておられますが、時期や市場について教えてください。

　三谷　北九州市で創業した当社は、賃貸や売買など不動産仲介を主力に、賃貸管理、賃貸マンション開発などを手がけてきました。

　上場は来期中（21年7月～22年6月）を目指しており、市場は東京プロマーケット市場です。現在は上場に向けて、組織強化に努めているところです。創業から20年で、北九州市と福岡市に計8店舗を出店し、従業員数も120名を超えました。仲介という既存事業を安定成長させながら、戸建建売や宅地分譲といった開発事業を強化中です。今後は、福岡市を中心としたエリア開拓に力を入れます。今年5月に福岡市博多区へ出店しましたが、福岡エリアでは計3店舗まで店舗展開する予定です。

　――上場の目的は何でしょうか。

　三谷　東京プロマーケット市場は、上場時に必ずしも資金調達する必要がありません。そのため上場の目的は資金調達ではなく、信用・知名度の向上です。これによって、採用を有利にできると考えています。新卒採用を始めて10年になりますが、北九州だけ、福岡だけでは採用に制限があります。両エリアで積極的に採用を続けることで、少しずつ事業でもシェアを高めていければ。また、上場はM&Aにも有利に働くと考えており、力を入れているリフォーム事業や戸建建売、宅地分譲に関わる会社や事業のM&Aを積極的に進めていきたいですね。

従業員数は120名超、アンサーの人材教育

　――従業員数が120名を超えたということですが、人材育成について気をつけているポイントは何でしょうか。

　三谷　できるだけ社員と雑談することです。仕事上の報連相だけでは、なかなか本音でぶつかってくれません。普段から雑談することで、こちらの考えも伝わりやすくなります。従業員にはできるだけ笑顔でいてもらえる会社でありたい。「何を考えているか」をお互いに想像できる関係が理想ですね。また、従業員数が50名を超えたあたりから、責任者会議に私は出席しないようにしました。出席するとつい口を出してしまうというのもありますが（笑）、責任者に一定の裁量を与える、これも人材育成に重要なことではないでしょうか。

（つづく）

【永上　隼人】

＜プロフィール＞
三谷  俊介（みたに・しゅんすけ）
1963年9月生まれ。北九州市小倉北区出身。地場の不動産会社で仲介業に従事した後、2000年6月に（有）アンサー倶楽部（現・（株）アンサー倶楽部）を設立し、代表に就任した。趣味はゴルフ。

＜COMPANY INFORMATION＞
（株）アンサー倶楽部
代　表：三谷　俊介
所在地：北九州市小倉北区三郎丸3-12-12
設　立：2000年6月
資本金：6,000万円
売上高：（20/6）13億5,000万円
ＴＥＬ：093-951-6139
ＵＲＬ：https://answerclub.co.jp