2024年04月20日( 土 )

上場を経てM&Aテコに成長促進へ アンサー倶楽部が見据える、次の20年(後)

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代表取締役社長・三谷俊介氏

(株)アンサー倶楽部 代表取締役社長 三谷 俊介 氏

 スローガンは「街を創る。人を創る。お客様の望む答え〈ANSWER〉を提供する」――(株)アンサー倶楽部は北九州市で高い知名度を誇り、北九州市内7店舗、福岡市内1店舗で年間1,000件超の不動産売買を手がける不動産仲介会社であり、賃貸管理戸数は4,500戸を数える管理会社でもある。これら主力事業に加え、近年は戸建建売や宅地分譲などの開発事業にも力を入れている。2016年には持株会社・(株)アンサーホールディングスを設立。今後は福岡エリアの強化を図り、来期には東京プロマーケット市場への上場を目指す同社の三谷俊介社長に、話を聞いた。

従業員数は120名超、アンサーの人材教育(つづき)

 ――上場を経て、次の20年でどのような会社にしていく予定ですか。

 三谷 人材が育ち、既存事業が安定してきたことで、まずはM&Aなどを通じて、より成長速度を高めていきたいですね。既存の事業を成長させることも重要ですが、次の世代にバトンタッチする前、私が社長の時代に新規事業を軌道に乗せておきたい。

 責任者会議に出なくなったのも、そのためです。私には、エリア展開や新規事業の創出、M&A、人材採用といった業務に集中することが求められています。事業承継の時期や人物は現時点では決めていません。

 アンサー倶楽部は私がつくった会社ですが、父もまた経営者でした。アンサー倶楽部を創業して得た体感として、最後に頼ることのできる存在がいると、本当の意味での経営者にはなれないと思っています。私自身、最後の最後に頼る存在がいなくなったことが、経営者になる覚悟につながりました。これからの20年で、次の経営者を育てていければと考えています。

アンサー倶楽部 21年新卒集合写真
21年新卒集合写真

福岡出店から1年、北九州との違い

 ――コロナ禍では、住宅の無償提供も行われました。御社においては、コロナ禍の影響はありましたか。

 三谷 昨年4月から12月まで、コロナの影響で住まいの退去を余儀なくされた方に対して、北九州市小倉北区・小倉南区内の賃貸住宅を無償提供しました。

 当社への影響については、昨年3月から6月、そして今年1月は緊急事態宣言の影響で業績が落ち込みました。それでも、その揺り戻し需要をとらえることができましたので、年間を通じてみれば、ほとんど影響はなかったと言っていいかと思います。オンライン内見の一般化などで、少しではありますが不動産業務のDXが進んだことは収穫でした。

 ――5月1日に福岡市へ出店されました。福岡市と北九州市の住宅需要で、大きな違いは何でしょうか。

 三谷 約1年かけて準備し、ようやく福岡店をオープンできました。福岡都市圏では、JRや地下鉄、西鉄の沿線に住宅需要が集中しているのに比べて、北九州市は必ずしも駅があるところが人気というわけではありません。もちろん、小倉駅周辺やモノレール沿線は人気ですが、国道3号線や199号線などの幹線道路沿線、芝生広場や遊歩道が整備された北九州メディアドーム周辺などが人気です。当社が企画している賃貸マンション・アクシオシリーズは、13年からこれまで北九州市内に5棟の供給実績がありますが、こういったエリアに供給してきたおかげで、稼働も順調です。現在は「アクシオ北九州Ⅱ」(36戸)を小倉駅徒歩5分の場所(小倉北区浅野)に建築中です。

 北九州市も行政として積極的にSDGsを推し進めていますが、当社でも17項目中12項目に取り組んでいます。上場すれば、よりパブリックな会社であることが求められますし、利益を上げることだけでなく、SDGsの目標のように環境に配慮した持続可能な発展を遂げていくことができればと思っています。

(了)

【永上 隼人】


<プロフィール>
三谷  俊介
(みたに・しゅんすけ)
1963年9月生まれ。北九州市小倉北区出身。地場の不動産会社で仲介業に従事した後、2000年6月に(有)アンサー倶楽部(現・(株)アンサー倶楽部)を設立し、代表に就任した。趣味はゴルフ。


<COMPANY INFORMATION>
(株)アンサー倶楽部

代 表:三谷 俊介
所在地:北九州市小倉北区三郎丸3-12-12
設 立:2000年6月
資本金:6,000万円
売上高:(20/6)13億5,000万円
TEL:093-951-6139
URL:https://answerclub.co.jp

(前)

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