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2021年08月26日 16:53

【古典に学ぶ・乱世を生き抜く智恵】アドラーの言葉に学ぶ~うまくいかないのは自分のことしか考えていないからだ~

中島 淳一 氏 フロイト、ユングに並ぶ精神医学界の巨星アルフレッド・アドラー(1870~1937)はウィーン郊外に生まれる。父は穀物商を営むハンガリー系ユダヤ人、母は勤勉なチェコスロヴァキア系ユダヤ人であった。

 ウィーン大学医学部卒業後、眼科医、後に内科の診療所を開く。1902年にフロイトに招かれ研究グループに参加し、精神分析に関わることになる。10年、ウィーン精神分析協会の議長に就任し『精神分析中央雑誌』の編集長を務める。このころからフロイトと意見を異にするようになり、11年、自由精神分析協会を設立、13 年に個人心理学会へと改称する。第一次世界大戦では軍医として従軍。26年、初めてアメリカを訪れ、数カ月にわたる講演旅行を行い、大成功を収める。これ以降、1年の半分ずつをヨーロッパ大陸と北米大陸とで過ごし、カウンセリングと講演に明け暮れる。37 年、ヨーロッパへ講演旅行に出かけ、スコットランドのアバディーン大学での連続講義の4日目、ホテルから散歩に出かけた直後、心臓発作で67年の生涯を閉じる。個人心理学の知識は世界をより良くできるというアドラーの信念はアドラー心理学として、今も世界中で高い評価を受けている。

人間は自らの人生を創造する芸術家である

 現在のあなたをつくり出したのはあなた自身にほかならない。これからの人生を決めるのもあなたである。

 やる気を喪失したわけではない。あなたがそう決断しただけのことだ。変われないのではない。変わらないことをよしとしているだけのことだ。熱望は変わりたいという強烈な内的欲求である。どんな才能をもって生まれたかは問題ではない。肝要なのは与えられた才能をいかに活かすかである。確かに、人間である限り劣など感がある。どんなに才能豊かに見える人間にも劣など感は存在する。劣など感を抱くこと自体は不健全なことではない。劣など感をどう扱うかで明暗がわかれる。劣など感を言い訳にして貴重な機会から逃避する人もいれば、劣など感をバネに人類に貢献するほどの偉業を成し遂げる人もいる。俯いたまま、未熟で非力な自分を責め続けている限り、一歩も前進できないし、幸せにもなれない。まず勇気を出して今の弱い自分を素直に認めることだ。そうすれば本当に強い人間になれる道が開けてくる。人は過ぎ去った過去に縛られているわけではない。自分の心が描く方向性がこれからの人生を決定するのである。今日こそがその人生の未来を決める貴重な第1日目である。

うまくいかないのは自分のことしか考えていないからだ

 人は怒りで自分を見失い怒鳴るわけではない。相手を威嚇し支配するために、怒りという感情をつくり出し利用するのである。自己を中心にしか世界を観ることができない人間、奪う人間、支配する人間は幸せにはなれない。他人のことに関心をもたない人間は結局、茨の道を歩み、地獄の苦しみを味わうことになる。その苦しみから抜け出す方法はたった1つしかない。他の人を心底喜ばせることだ。大切なことは共感である。共感とは相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じることである。自分だけでなく、仲間の利益を考慮する。受け取るよりも与えることこそが、幸福になる唯一の道である。まず信頼するのだ。信頼とは裏付けも担保もなく相手を信じることである。裏切られる可能性があってもひたすら相手を信じるのである。誰かが始めなくてはならない。見返りがなくても、誰も認めてくれなくても、あなたから始めるのだ。より良い世界をつくるために。

劇団エーテル主宰・画家
中島 淳一

TEL:092-883-8249
FAX:092-882-3943
URL:http://junichi-n.jp/

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